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アパホテル、館内の換気を自動制御しエアコンの電力使用量を24%削減

DIGITAL X 編集部
2024年5月2日

ビジネスホテルチェーンのアパホテルは、ホテルでのエアコンの運転による電力使用量を抑えるため、館内の換気を自動制御するシステムを2024年3月下旬から本格運用している。試験導入では、通常運転に比べ電力使用量を24%削減できたという。制御システムを提供するcynaps(シナプス)が2024年4月11日に発表した。

 アパホテルが2024年3月下旬に本格運用を始めたのは、ホテルの換気を自動で制御するシステム。業務用空調機の換気量を調整することで、エアコンの運転状況の最適化を図り電力消費量を抑える。ホテルではエアコンを24時間365日稼働させているためエネルギー使用量が大きい。試験導入では、電力使用量を24%削減できたという(図1)。本格運用後の省エネ効果は試験導入時の約2~3倍を見込む。

図1:通常運転(2023年11月29日~12月21日)時(左)と換気量を10%削減した省エネ運転(2023年12月22日~2024年2月29日)の電力消費量の比較

 試験導入は、札幌市内にあるアパホテル札幌大通駅前南店で実施した。館内の換気装置に、CO2(二酸化炭素)濃度、温度、湿度などを測定する複合センサー9台を設置し、全客室262室と、ロビー、フロント、レストラン、廊下の換気を遠隔から制御した。2023年11月29日から12月21日までは制御せずに運用、12月22日から2024年2月29日までは制御により換気量を10%削減した省エネ運転とし、効果を比較した。

 アパホテルは数年前から、換気制御システムの導入を検討していた。今回、制御システムには、クラウド換気システム「BA CLOUD」(cynaps製)を採用した。制御のためのサーバーをホテルに置く必要がなく、営業を止めずに導入できることから採用を決めたという。

 なおホテルの空調では衛生的環境を確保するための法律「ビル管理法」の基準を満たす必要がある。試験導入では、換気量の10%を削減しても基準を満たせることが確認できたとしている。現在は安全を考慮し換気抑制量を10%以下に抑えているという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名アパホテル
業種サービス
地域札幌市(アパホテル札幌大通駅前南店、試験導入場所)
課題24時間365日稼働しているエアコンの電力消費量を減らしたい
解決の仕組み空気状況をセンサーで把握し、空調機器の換気を自動で制御することでエアコンを省エネ運転する
推進母体/体制アパホテル、cynaps
活用しているデータホテル館内のCO2濃度、温度、湿度などのデータ
採用している製品/サービス/技術クラウド換気システム「BA CLOUD」(cynaps製)
稼働時期2024年3月下旬(札幌大通駅前南店での本格運用開始日)