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オムロン、工場でのPLCのセキュリティ強化に向けシスコと提携

DIGITAL X 編集部
2017年12月14日

オムロンは、工場の製造機器などを制御するPLC(Programmable Logic Controller)のセキュリティを強化するために、シスコシステムズと技術提携することで合意した。PLCのセキュリティを高めることで、制御機器向けクラウドサービス「i-BELT」のセキュリティ強化も狙う。両社が2017年11月29日に発表した。

 今回の技術提携でオムロンは、シスコシステムズの機器内蔵用ルーター「Embedded Services Router(ESR)」の次世代品を組み込んだPLCの開発を目指す。ESRを組み込むことで、PLCの認証対象を人間や機器にまで拡大する(図1)。

図1:オムロンのPLC(上)に、シスコシステムズの内蔵用ルーター「Embedded Services Router」(下)の次世代品を組み込み、セキュリティレベルの向上を狙う

 同ルーターを普及させることで、オムロンが提供する制御機器向けサービス「i-BELT」のセキュリティ強度の向上も目指す。i-BELTはオムロン製品に限らず、各社の制御機器も対象にするクラウドサービス。2017年10月から一部機能の提供を始めている。

 オムロンとシスコは、PLCを工場の自動化を担う中核製品に位置付けている。認証技術をPLCに組み込むことで、制御システム全体のセキュリティ強度を高めたい考えだ。

 なおオムロンは、シスコの技術を採用したPLCを開発する前に、PLCの主力製品「マシンオートメーションコントローラーNJシリーズ」を改良した製品の出荷を2018年1月に始める予定である。国際標準通信規格「OPC UA(OPC Unified Architecture)」の通信機能を搭載し、異なるメーカーの機器やOSの間でのデータ交換を可能にする。OPC UAに対応することで、対応機器やOSとセキュリティを確保した通信が可能になる。