AI機能搭載のエッジコンピューターを開発する新会社、ファナック、日立、PFNの3社が設立

　新会社の名称は「Intelligent Edge System合同会社」。ファナック、日立製作所、Preferred Networks（PFN）のそれぞれが1000万円ずつ出資する。社長には、日立の執行役副社長で、4月1日付でファナックの副社長執行役員に就任する齊藤 裕 氏が兼務で就任する。

　新会社では、ファナックが工作機械や産業用ロボットに関する技術やノウハウを提供。日立は製造現場で培ってきた制御技術などのOT（Operation Technology）と、企業情報システムの構築で得たIT（Information Technology）に関するノウハウを提供する。PFNは深層学習技術と分散コンピューティング技術を融合させ、エッジコンピューター用のソフトウェア開発を担当する。

　開発を目指すのは。工場の産業用ロボットの隣に設置し、AIで分析した結果に基づく指示をロボットにリアルタイムで出すためのエッジコンピューター。すでに産業用ロボットの制御などにエッジコンピューターを使う例はあるが、汎用的なハードウェアでは、計算量が大きいAI処理は不向きだった。そのため、データ分析をクラウド側で処理しようとすると、ネットワーク遅延が発生する。いずれの場合も、産業用ロボットをリアルタイムに制御することが難しい。

　3社は今後、合弁会社設立後に事業計画を策定・検証したうえで、開発予定の機器の応用分野を拡大する計画である。