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DXのためのM&Aで成果を得るには自社のデジタル化が不可欠、米アクセンチュアが調査

DIGITAL X 編集部
2018年2月22日

「企業買収によって自社にデジタル技術を取り込もうとするなら、自社のデジタル化を進めておく必要がある」ーー。こんな調査結果を米アクセンチュアが公開した。全世界の企業幹部1100人を対象に実施したものだ。2018年2月6日に発表した。

 米アクセンチュアが公開したのは、世界中のCEOやCDOなど「CxO」、1100人を対象に2017年に実施した調査の結果。それによると、デジタル技術を取り込むために、従来型企業が新興のデジタル企業を買収する例が急増しているものの、およそ3分の2の企業が、買収したデジタル企業を独立経営のままにしていた。回答者の71%が「買収した企業の技術を自社に統合させることが重要」とする一方で、62%が「買収先の企業文化の維持が大切だ」と回答している。

 こうした状況に対しアクセンチュアは、M&Aによって新しい技術を取り込み、自社の事業成長に活用しようとするなら、自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めておかなければならないと指摘する。DXが進んでいればいるほど、新しい仲間を早々に迎え入れられ、買収の効果も高まるとする。

 デジタル企業の買収は、従来型企業の買収とは性質がまるで異なるとも指摘する。従来型企業の買収では、その効果を最大化するために企業文化が似通った企業を買収してきた。それが、デジタル企業の買収では通用しないという。M&Aによって新しい技術を取り込もうと考える企業が急増し、他社との競争になっているからだ。そこでの企業の買収チームは、買収先の選定や交渉、事前調査、手続きなどの作業を早々に進めなければならない。

 調査結果によると、回答者の56%が、「デジタル企業の買収では、従来とは異なる方法で評価や価値判定に当たっている」と回答。58%は、「買収担当部署の業務にAI(人工知能)やデータ解析などの技術を活用している」と答えている。短い時間で大量のデータを分析し、大量の文書を作成するために、買収チームが必要に迫られてAIなどの先端技術を利用し始めているわけだ。実際、AIを活用すれば、買収手続前の企業調査(デューディリジェンス)にかかる時間を30~90%短縮できるという。

 買収手続きを請け負う法律事務所も、担当弁護士の選定や手続き文書の作成、契約内容の精査などにAIを活用し始めている。デジタル企業の買収では、買収業務自体がDXを推し進める大きな要因になっている。しかし買収業務に当たる部署を除くと、自社のDXが十分には進んでいない。調査によれば、「新しい業務やシステムに対応できる基盤があるか」という問いに肯定的な回答は57%、「新しい技術を取り入れる上で助けとなる従業員がいるか」に対して肯定的な回答は57%だった。