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リアルタイム性を重視する産業用IoTを構築するためのミドルウェア、アプトポッドが正式版を発売
産業機器やロボットの制御、コネクテッドカーなど、リアルタイム性を重視するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを構築するためのミドルウェアの最新版をアプトポッドが2018年5月30日に正式リリースした。デバイスとサーバー間で独自のプロトコルを使ってデータをやり取りすることで、リアルタイム性を確保する。
アプトポッドが正式リリースした「intdash(イントダッシュ:INTeractive DAta Streaming Hub)」は、デバイスとサーバー間の高速データ通信を実現するためのミドルウェア。インターネットや携帯電話回線など十分な速度や品質を確保できない通信環境にあっても、ミリ秒単位の間隔で発生する時系列データを、高速かつ安定的にやり取りできるようにする(図1)。
これまで、いくつかの企業とともにintdashを使ったプロタイプシステムを構築・実証し、製品の改良を続けてきた。具体的には、自動車関連のAZAPAや東京アールアンドデー、ロボット分野の富士通アドバンストエンジニアリングやメルティンMMI、スマートフットウェアを開発するno new folk studioなど業種特化型の企業のほか、NTTドコモや兼松、日本IBM、本田技術研究所などである。ドコモはドローン用途にIntdashを利用している。
一般に、IoTにおける時系列データの通信には、MQTTなどの業界標準プロトコルが利用されている。だがアプトポッドによれば、「コネクテッドカーやロボットの制御など、よりリアルタイム性が重要視されるシステムでは、標準的なプロトコルでは不十分なケースがある」。
そこをintdashでは、独自開発したプロトコル「iSCP (intdash Stream Control Protocol)」を使うことで、データの欠損や遅延などを防ぐ。収集したストリーミングデータは、そのまま時系列データストアに保存され、可視化や分析の対象にできる。
今回、可視化ツールの「Visual M2M」も正式にリリースした。intdashが持つデータを可視化するためのWebアプリケーションで、種々のビジュアル化パーツを組み合わせることで、必要なダッシュボードを構築できる。
PoC向けのエッジソリューションとして、「intdash Edge Module」を搭載するアプライアンス「Terminal Systems」も用意する。intdashを使ったシステムやアプリケーションを開発するためのSDK(ソフトウェア開発環境)やAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)も提供する。
intdashおよびVisual M2Mの利用料金は、サブスクリプション(購読)型で、PoC(概念検証)用途に向けたクラウドサービス版と、オンプレミスで利用するためのライセンスサブスクリプション(Linux版)がある。