• News
  • 流通・小売り

長野県伊那市、河川上空を「幹線航路」として利用するドローン物流網を実証へ

DIGITAL X 編集部
2018年9月13日

河川の上空を「幹線航路」とし、ドローンを使った物流網を構築するための実証実験を長野県伊那市が開始した。市街地と中山間地域を結ぶサプライチェーンを形成するほか、中山間地域への配送サービスも検討する。2018年8月30日に発表した。

を、地元スーパーマーケットや道の駅と連携してビジネスモデルの構築に挑む。実証を実施する長野県伊那市と協力するKDDI、ゼンリンが

 長野県伊那市が実証するのは、(1)「INAドローンアクア・スカイウェイ事業」と(2)「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」の2つ(図1)。

図1:「INAドローンアクア・スカイウェイ事業」と「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」の概要

 INAドローンアクア・スカイウェイ事業では、伊那市の南北を流れる天竜川や東西を流れる三峰川の上空をドローン向けの長距離幹線航路として利用し、中心市街地と中山間地域を結ぶ物流ルートの確立を目指す。ゼンリンの「空の三次元地図」とドローン管制などのノウハウを活用し、商品の小口化、大量輸送、多頻度輸送に対応できるようにする。

 空飛ぶデリバリーサービス構築事業では、商品を中山間地域の消費者宅までドローンで配送するサービスの確立を目指す。伊那ケーブルテレビジョンの協力を得て、ケーブルテレビを利用した商品受発注システムを構築。消費者は自宅から商品を注文できるようにする。同サービスのビジネスモデル構築に向けては、地元スーパーマーケットや道の駅と連携体制を採り、検証する。

 伊那市としは、長距離幹線航路を使うドローンが品物を市街地から中山間地域に運び、そこからは空飛ぶデリバリーサービスで、消費者の自宅にまで届けるという構想を描いている。

 少子高齢化の進行で、中山間地域などの過疎地では、物流や交通がうまく機能せず、高齢者などが食料品や日用品の買物に苦労するという例が増えている。今回の実証では、そうした課題を、ドローンを活用した新たな物流システムを開発することで解決を図りたい考えだ。