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CDPでのAI活用軸に機能を4層に整理しブランドを刷新、トレジャーデータ
CDP(Customer Data Platform:顧客情報基盤)などを提供するトレジャーデータは、CDPでのAI(人工知能)技術活用を軸に機能を整理すると同時に、ブランドを刷新した。音声データや少数派の動向を示すデータの取得に向けて海外ベンダーとの協業も進める。2026年5月26日の記者説明会で説明した。
トレジャーデータはこのほど、同社のCDP(Customer Data Platform:顧客情報基盤)製品群のブランドを「Treasure AI」に刷新した。米Treasure DataのChief Product & Growth Officerであるラファエル・フローレス(Rafael Flores)氏は「これまでもAI(人工知能)技術の導入に取り組んできた。ブランド刷新は方針転換ではなく進化だ」と強調する(写真1)。
Treasure AIブランドの製品群を同社は「エージェンティック・エクスペリエンス・プラットフォーム」だと定義し、機能を次の4つの層に整理した(図1)。
具体的には(1)顧客データ基盤層:従来のCDPを含むデータ基盤、(2)施策・実行層:情報分析や施策実行のためのAI機能「Treasure AI Suite」、(3)スーパーエージェント層:AI機能を管理しユーザーを支援するAIエージェント「Treasure AI Agent」、(4)インターフェース層:AIエージェントのための対話型インターフェース「Treasure AI Studio」である。
4層に分けた理由をトレジャーデータ 社長執行役員CEO(最高経営責任者)の三浦 喬 氏は、こう説明する。
「AI技術で人間の仕事を代行するには、AIという“知能”に加え、情報収集手段の“知覚”、データベースという“記憶”、エージェント機能という“実行”の4要素が必要になる。Treasure AIでは、これら知能、知覚、記憶、実行の全てを垂直統合して提供する」
知能に当たるのがTreasure AI Agent、記憶がCDP、実行がTreasure AI Suiteにそれぞれ相当する。
音声データの取得や不足するデータを補う生成機能を用意
2026年4月13日からは知覚に当たる製品として、「Treasure AI Voice」を追加した。接客時や商談時の音声データをテキスト化した後に必要な情報を抽出しCDPに記録する。録音用デバイスとテキスト化のためのAIエンジンには米Plaud製を採用している。
Treasure AI Voiceを投入する理由を三浦氏は「国内企業の90%がリアルなオフィスで業務を進めているほか、購買行動におけるEC(電子商取引)化率が9.78%に留まっている。B to B(企業間)、B to C(企業対個人)のいずれでも、活動の90%以上がオフラインで進んでおり、オンラインの顧客接点だけで得られる情報は10%に満たない」とする。
また、現場で顧客の声を記録してから意思決定に使うまでに「伝言ゲームにより、担当者のバイアスやマネジャーの忖度といった要因で情報がゆがみ、会話内容がブラックボックス化してしまう」とも指摘する。
加えて、2026年に義務化されるカスタマーハラスメント対策や、営業担当者による不正防止策などが求められ「従業員と顧客の会話記録は、会社がハラスメントや不正を察知して防止するためにも有用だ」(三浦氏)という。
またトレジャーデータ CSO(最高戦略責任者)の大津留 博文 氏はAIモデルの学習について「CDPが持つVIP(Very Important Person:重要人物)やリスク層に関するデータは、データ件数が少ない『外れ値』であり、学習や予測が難しい」と指摘する。
外れ値に当たるデータの少なさを補うためのデータ生成サービスを提供する。特殊な顧客事例を想定した構造化データを生成することで、学習用データを増やす。同社独自のデータ生成技術「zGAN」をベースに、金融向けAI技術などを扱うアラブ首長国連邦(UAE)のzypl.aiと連携し実現した。
ブランド刷新に併せ課金モデルも変更した。具体的には、機能によって分け、CDP部分は保存する顧客プロファイル数に応じて課金する。Treasure AI Agentはリクエスト数、Treasure AI Suiteは自動配信するメールや「LINE」などの件数、Treasure AI Voiceはデバイス数に応じて、それぞれ課金する。


