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コマツの米子会社、重機の稼働データ分析に機械学習を適用し精度を向上

DIGITAL X 編集部
2017年12月6日

コマツの米国子会社であるKomatsu Miningは、重機の稼働データの分析に機械学習を適用し、顧客へのアドバイス内容の精度を高めている。そのためにデータ処理のための基盤を一新した。ある石炭採掘業者へのアドバイスでは、重機の稼働効率が2倍に高まった例もある。データ処理基盤を提供した米Clouderaが2017年11月15日に発表した。

 Komatsu Miningは、地下資源採掘用の大型重機を専門に扱う会社。コマツが2017年4月に買収したJoy Globalが前身だ。買収以前から、顧客に納めた重機の稼働データを収集・分析し、生産性の向上や安全性の確保を支援するサービス「JoySmart Solutions」を提供してきた。

 同社が販売する最新重機は、数百~数千種類のデータを生成し、1分間に3万〜5万件のデータを出力する。結果、世界中で稼働している重機から届く稼働状況を示すデータは、1カ月当たり合計30テラバイトにまで膨れ上がっており、さらに大きくなることは明らかである。一方で、JoySmart Solutionsのためのデータを蓄積・分析する基盤は導入から時間が経っており、拡張も困難になっていた。

 こうした課題を解決するためにKomatsu Miningは、機械学習によるデータ分析機能を持つデータ処理基盤に刷新することにした。社内のデータサイエンティストが機械学習のモデルを構築できるようになり、より良質な分析結果を短時間で得られるようになった。客先にある重機の稼働状態をより正確に把握できるようになり、生産性改善や運用コスト削減に向けた顧客へのアドバイスも、より効果を提供できる内容になったという。

 導入したデータ処理基盤は、「Cloudera Enterprise」(米Cloudera製)だ。このCloudera Enterpriseを米Microsoftのクラウドサービス「Microsoft Azure」上で稼働させることで、将来の処理能力の拡張にも備えている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名米Komatsu Mining
業種製造
地域米ウィスコンシン州ミルウォーキー
課題世界各地で稼働する重機から届くデータの量や種類が増え、データを十分に分析することが難しくなってきていた
解決の仕組み機械学習機能を備えたデータ処理基盤を導入。クラウド上で稼働させることで将来の拡張に備えた
推進母体/体制米Komatsu Mining、米Cloudera、米Microsoft
活用しているデータ地下資源採掘用の巨大重機が生成する稼働状況を示すデータ
採用している製品/サービス/技術データ分析基盤「Cloudera Enterprise」(米Cloudera製)、クラウドサービス「Microsoft Azure」(米Microsoft製)
稼働時期2017年11月