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渋滞対策の効果などをシミュレーションするソフトウェア、日立産業制御が右側通行版を発売

DIGITAL X 編集部
2017年11月2日

道路を走る自動車の動きをシミュレーションできるソフトウェアの右側通行版を日立産業制御ソリューションズが発売した。2017年10月27日に発表した。日本、中国、東南アジアで販売する。

 発売したのは、交通流シミュレーションシステム「TRAFFICSS(トラフィックス)」の右側通行対応版。これまで左側通行を前提としたソフトウェアを提供していたが、建設業者などからの要望が高まり、右側通行に対応した。道路の新規建設や車線数の変更などの渋滞対策の効果を検証できる。

 TRAFFICSSがシミュレーションするのは、道路を走行する自動車の動き。例えば、渋滞が多発する交差点の情報を入力することで、その交差点では渋滞が、どのように発生するのかをシミュレーションする。その後、新規の道路建設や車線数の変更などの渋滞対策を打ったデータを入力すれば、対策の効果をシミュレーションにより確認できる(図1)。

図1:TRAFFICSSの画面例。左側は渋滞している交差点のシミュレーション結果。右側が信号間隔変更、道路2車線化などの対策を講じた後のシミュレーション結果

 海外では今、都市開発に伴う渋滞の発生と、排出ガスの増加による環境汚染が大きな問題になっている。一方でEV(電気自動車)の普及に向けた充電ステーションなど新しい交通設備が現れ始めている。こうした道路に関する改善支援に、日本の官庁や建設コンサルタントなどが取り組む機会が増えているという。国内の事業者からは右側通行版を求める声が高まっていた。深刻な道路渋滞に悩む中国や東南アジアの道路関係者からは、日本市場での実績を評価しTRAFFICSSを活用したいという声が上がっていたという。

 ソフトウェアの価格は80万円(税別)から。日立産業制御ソリューションズは今後、TRAFFICSSの機能強化を図るほか、販売地域を順次拡大していく考えである。