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画像認識による外観検査などをデータを工場外に出さずに実施する専用コンピューター、NTTコムウェアが発売
製品の外観検査にAI(人工知能)を使った画像認識を利用する動きが高まる一方で、学習用データを製造現場からクラウドなどの外部に出したくないというニーズも強い。そうしたニーズに対し、工場内で動作し画像の認識率を学習するコンピュータをNTTコムウェアが発売した。207年11月1日に発表した。
新製品「Deeptector」は、深層学習(Deep Learning)によって画像を認識するソフトウェアを搭載した産業用コンピューター。工場内のネットワークに接続し、学習用画像を用意すれば、監視や、保全、点検、製品検査といった用途の画像認識に利用できる(図1)。学習モデルは、専用のモデル作成ツールを使って作成する。
NTTコムウェアは2017年3月から、工場などに向け「Deep Learning画像認識プラットフォーム(現在は名称を『Deeptector』に変更)」(インストール版)を販売してきた。だが、製品検査に利用する企業は、拠点内からデータを出さない形での運用を望むケースが多いという。
そこで、Deeptectorをインストール済みのコンピューターとして販売することにした。クラウドに接続することなく、深層学習による製品検査を可能にすることで、学習用データを含めた全データを拠点内で管理しながら運用できる。
コンピューター本体には、日本ヒューレット・パッカード製の「HPE Edgeline EL1000 Converged IoT System」を採用。工場など設置環境が厳しいことを想定し、温度55°、湿度95%にまで対応し、30Gの衝撃にも耐える。深層学習の速度を上げるためにNVIDIA製のGPU(画像処理プロセサ)「Tesla P4」を搭載する。
なおDeeptectorは、クラウドと連携させても使える。NTTコムウェアが提供するクラウドサービス「Deeptector」(クラウド版)と併用すれば、複雑で高い処理性能が必要な学習モデルをクラウド側で構築し、そのモデルを複数拠点にあるDeeptectorに配信して利用する。