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製造業向けIoT技術を共同開発、富士通とシンガポールのARTCが提携
2017年11月15日
製造業を対象にしたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムの構築に必要な技術を共同開発するために、富士通とシンガポールの業界団体が提携した。共同でウェアラブル技術やセキュリティ対策技術を開発する。富士通が2017年11月2日に発表した。
富士通が提携したのはシンガポールのARTC(Advanced Remanufacturing and Technology Centre:再製造技術開発センター」。先端技術を使う製造業者と、廃棄品を再利用して新製品を製造する再製造業者との間で、技術的な情報を橋渡しするのが役割だ。ARTCには、シンガポール科学技術庁や、シンガポールの最高学府の1校であるNanyang Technological University(南洋理工大学)のほか、50以上の民間企業が参加している。
今回の提携で富士通とARTCは、工場の生産効率向上やセキュリティ強化に加え、より安全な労働環境づくりにも取り組む。
そのために富士通はARTCに対し、独自開発した製品開発向け統合設計環境を提供し、さまざまな分野での共同研究・開発に取り組む。具体的には、工業向けIoTシステムにおける相互運用問題の解決や、異なる実行環境でも活用できる標準アーキテクチャーの確立などである。標準アーキテクチャーは、センサーから、ネットワーク、データシステム、セキュリティ、アプリケーションまで、工業向けIoTシステムを構成する全要素を対象にする予定だ。
製造業で利用可能なウェアラブル技術や、ヘッドマウントディスプレイを利用したAR(拡張現実)アプリケーション、IoTシステムを守るセキュリティ対策技術の開発にも取り組む。深層学習や機械学習の応用範囲を拡げるための試作試験なども実施する。