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商業施設の集客増や鉄道の保守・運用業務を支えるAIサービス、NECが提供

DIGITAL X 編集部
2017年11月20日

特定業務を対象に、データをAI(人工知能)で分析し効率化を図るクラウドサービスをNECが2017年11月8日に発売した。熟練者の経験や勘に頼っていた業務をAIによるデータ分析により、自動化などを可能にする。

 NECが提供を始めたのは、「集客施設価値向上ソリューション」と「鉄道オペレーション&メンテナンスソリューション」の2つのサービス。同社のAI技術群「NEC the WISE」を基盤に、特定業務向け機能を実装した。デジタルトランスフォーメーション(DX)のためのサービスとする「NEC DXソリューション」における「業種アプリケーション」に位置付ける(図1)。

図1:AI機能群「NEC the WISE」を基盤にした「NEC DXソリューション」の全体像

 集客施設価値向上ソリューションは、店舗や商業施設、ホテル、テーマパークなど多くの来客が訪れる施設を対象に、来場者数や売上高、需要などを予測する。集客増に向けた施設の運用業務などの効率を高められるという。分析するデータは、年齢や性別といった顧客の属性や、購買状況、ポイントやクーポンの利用状況、施設内の画像、天候など。これをNECの「異種混合学習技術」で分析することで、人間では発見が難しい複数の規則を検出し、それを学習する。

 鉄道オペレーション&メンテナンスソリューションは、鉄道設備の劣化を予測し、その要因を突き止めるもの。熟練技術者に頼ることなく、鉄道設備のメンテナンス作業の効率向上と安全確保を実現できるとする。軌道や電気設備、車両設備などの鉄道設備データをAIで解析することで、状態変化を予測する。また日々の業務から得られるデータを機械学習で分析し、作業順序の最適化や、復旧までに掛かる工程などを提示する。

 両サービスを実現するに当たり、NEC the WISEにも2つの新サービスを追加した。1つは「NEC Advanced Analytics Cloud with 異種混合学習」。データサイエンティストが考案した分析手法をAPI(Application Progeamming Interface)として利用可能にするサービスで、アプリケーション開発者は業務アプリケーションに分析手法を容易に組み込める。分析エンジンとしては、NECの異種混合学習や、オープンソースで利用できるアルゴリズムを提供する。NECは、現場の担当者が分析結果を利用するための環境づくりも支援する。

 もう1つは「NEC 映像分析基盤」。カメラが捉えた映像を分析するための環境を提供する。まずはオンプレミス版として提供し、2018年中にクラウドサービスとして提供を開始する予定である。