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糖尿業患者の電子カルテを基に治療薬の効果を予測、日立が開発

DIGITAL X 編集部
2017年11月17日

糖尿病患者の電子カルテを機械学習で分析することで、薬の種類の別に期待できる治療効果を予測する技術を日立製作所が開発した。2017年11月1日に発表した。

 糖尿病は発症すると完全な回復を望めない疾病の1つである。患者は治療薬を服用しながら病状をコントロールしていくことになる。日立製作所が今回、開発したのは、そうした患者の電子カルテを機械学習で分析することで、どの薬を投与すれば、どの程度の治療効果を得られるかを予測するもの。これにより医師は、患者の症状などに合わせて、より最適な薬剤を選択できるようになる。日立は、薬剤投与90日後の治療結果を高い精度で予測できるとしている。

 新技術は、米ユタ大学と共同で研究開発した。同大が持つ糖尿病患者の電子カルテのなかから、約6800件の症例データに対し、投与した薬とその量、投与期間、体重、検査値の推移などを時系列的に解析。そこから得られた情報を機械学習で分析し、患者と投与した薬剤ごとに異なる治療効果を予測するモデルを構築した。同モデルは、糖尿病の病状を示す指標である「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」値が、患者に投与した薬によって低減する確率を予測する。

 日立は今後もユタ大学と共同で、この技術の実用化を目指して研究開発を進める。