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スマートウォッチの出荷量が2017年第3Qに約65%増に、IDC Japan調べ
調査会社のIDC Japanによれば、2017年第3四半期に世界のウェアラブルデバイスの出荷台数は前年同期比7.3%増だったが、アプリケーションをインストールできるスマートウォッチは同64.9%増と大きく伸ばした。2018年1月15日に発表した。
2017年第3四半期に、サードパーティーのアプリケーションをインストールできないデバイスの出荷台数は前年同期比4.4%増だった。これに対し、「Apple Watch」や「Android Wear」などを採用するスマートウォッチの出荷量は同64.9%増と明暗がはっきり分かれた。
IDCはこの結果から、米Fitbitや中国Xiaomi、中国Huawei Technologiesが発売している基本機能のみのウェアラブルデバイスが市場形成に貢献したものの、消費者の好みや志向が、米Appleや米Fossil、韓国Samsungなどが投入しているスマートウォッチのような多機能型デバイスへ移っていることが明確だとする。
スマートウォッチの出荷数拡大に伴い、販路にも変化がある。従来のスマートデバイスは家電製品で販売されてきた。この販路が重要なことは今も変わらないが、米MovadoやFossilといった時計やファッション製品を販売していた企業は、ファッション系販路での展開を図っている。一方でAppleが、携帯電話通信機能を搭載したことや、Samsungが携帯電話通信事業者と良好な関係を維持してきたことは、ウェアラブルデバイスという製品の認知度向上と売り上げ拡大に貢献している。
ウェアラブルデバイスの出荷実績上位5社の動向を見ると、それぞれが抱える事情も見えてくる(表1)。
ベンダー名 | 2017年3Q出荷台数 | 市場シェア | 2016年3Q出荷台数 | 市場シェア | 伸び率 |
Xiaomi | 3.6 | 13.7% | 3.7 | 15.2% | -3.3% |
Fitbit | 3.6 | 13.7% | 5.4 | 21.9% | -33.0% |
Apple | 2.7 | 10.3% | 1.8 | 7.3% | 52.4% |
Huawei | 1.6 | 6.0% | 0.6 | 2.5% | 156.4% |
Garmin | 1.3 | 4.9% | 1.3 | 5.4% | -3.3% |
その他 | 13.5 | 51.4% | 11.7 | 47.7% | 15.7% |
合計 | 26.3 | 100.0% | 24.5 | 100.0% | 7.3% |
Xiaomiは、従来のフィットネスバンドに加え、腕時計型デバイスやスマートシューズを投入。それぞれは基本的な機能しか持たないものの、製品ラインナップを多様化することで、出荷台数の減少を抑え、市場トップの座を維持した。ただ同社製品は、ほとんどが中国国内市場向けであるという問題が残る。
Fitbitは、フィットネス用途で購入した多くのユーザーをつなぎとめておくために、スマートウォッチ「Ionic」を発売した。Ionicの今後の動きは未知数だが、同社は出荷台数が前年割れの状況が4四半期続いている。
Appleが急に出荷台数を伸ばした。その最大の理由は、2017年秋に発売した新商品「Apple Watch Series 3」である。特に携帯電話通信機能を搭載したモデルは、購入者の関心を高めたようだ。
Huaweiは、いくつかの新製品を市場に投入し前年同期比で156.4%増を遂げ、初めて上位5社に名前を連ねた。心拍数を測定する機能を持つスマートイヤフォンなど、商品ラインナップの多様化にも取り組んでいる。ただしXiaomi同様に、製品の多くは中国市場向けである。
Garminは、出荷台数は前年同期比で3.3%減だった。同社も、スマートウォッチのような多機能製品に軸足を移し始めている。たとえばスポーツ向け製品のほどんどは、多機能製品になっている。