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糖尿病患者にスマホを使って健康改善を指導する研究、国立国際医療研究センターらが開始

DIGITAL X 編集部
2018年1月19日

国立国際医療研究センターが、糖尿病予備群や2型糖尿病患者に対し、スマートフォン用アプリケーションを使って管理栄養士が健康改善を指導する研究を開始する。国立国際医療研究センターと、研究に参加するエス・エム・エス、みずほ情報総研が2018年1月17日に発表した。

 今回の研究では、糖尿病予備群、あるいは2型糖尿病患者とされるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の計測値が6.0%以上8.0%以下の条件に当てはまる人を対象にする。同条件で、企業の健康保険組合5団体ほどの加入者から参加者を募った結果、約150人が参加する。

 参加者はまず、エス・エム・エス(SMS)が提供する「管理栄養士伴走型の健康改善サービス」を受け、生活改善などによる効果を確認する。その後、ウェアラブル機器やインターネット接続対応の検査機器を使って生体データを取得。管理栄養士は生活改善に向けたアドバイスをスマートフォン用アプリを使って参加者に提供する(図1)。

図1:スマートフォンのアプリを通して管理栄養士から生活改善に向けたアドバイスを送る

 スマホ用アプリでは、参加者は管理栄養士とメッセージをやり取りできるほか、日常の食事や活動量、体重などのデータを確認できる。2018年3月から1年間、段階的にアドバイスを送り、患者の日常行動の変化や血糖コントロール状態の改善効果を検証する。

 2型糖尿病は、現時点では完治させる方法が存在せず、罹患すれば継続して血糖値を管理しながら暮らさなければならない。近年の研究では、ウェアラブル機器やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)対応機器を使って、患者自身が生活をコントロールできれば、日常の行動が良い方向に変化し、血糖のコントロール状態も改善するとの結果が出ている。

 しかし、研究の症例数がまだ少なく、観察期間も短いため、ウェアラブル機器やIoT対応機器が有用であることを示す本格的な臨床研究を求める声が高まっていた。今回の研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構から採択を受けた事業の一環として「ウェアラブル機器等を活用した管理栄養士伴走による健康改善介入研究」という名称で実施する。