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3Dプリンティングの世界市場規模は2021年に2兆円越え、IDC調査

DIGITAL X 編集部
2018年2月1日

3Dプリンティングの利用範囲が広がり、2021年には世界の市場規模は2兆円を超える。調査会社のIDC Japanが予測した。医療の現場で活用例が増えるという。

 IDC Japanの予測によれば、2018年の3Dプリンティング関連の世界市場の規模は、前年比19.9%増の約120億ドル(1兆3080億円、1ドル=109円で換算。以下同様)。今後5年間の年複利成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は20.5%で推移し、2021年には市場規模がおよそ200億ドル(2兆1800億円)に達する。

 産業分野別市場では、組み立て製造業の市場が最も大きい。予測期間全体に渡って、3Dプリンティングの市場全体の半分以上を占める。それに続くのが医療市場。2018年の市場規模はおよそ13億ドル(1417億円)に達するとIDCは見ている。教育分野は9億7400万ドル(1061億6600万円)、一般消費者向けは8億3100万ドル(905億7900万円)である。

 3Dプリンティングの主な用途を見ると、プロトタイピング、補修パーツ製造、新製品用パーツ製造の3分野が2018年の市場全体の44%を占める。2021年までには医療関連市場が成長し、歯科関連製品と医療関連製品の製造が、3Dプリンティングの用途の4位と5位に入る見込みだ。特に成長率が高いのは、生体の組織や臓器、骨の製造(CAGRは56.6%)と、歯科関連用品の製造(CAGRは36.9%)だという。

 高品質な医療関連製品を製造できるメリットは大きく、2021年には3Dプリンティング市場における医療関連の市場は現在の2倍程度まで成長する可能性があるとIDCは予測している。

 地域別では、3Dプリンティングの市場が最も大きいのはアメリカで、その規模は41億ドル(4469億円)。2番目は西ヨーロッパの35億ドル(3815億)で、両地域だけで、世界市場のおよそ3分の2を占める。第3位は中国の15億ドル(1635億円)で、以下、中央ヨーロッパ/東ヨーロッパ、中東、アフリカ、日本と中国を除くアジア太平洋地域が続く。

 IDCは今後5年間で、中南米(CAGRは27.2%)と、中央ヨーロッパ/東ヨーロッパ(CAGRは26.0%)の市場が急速に成長すると予測している。