アナログメーターの計測値をセンサーで読み取るサービス、日立製作所が開始

　日立製作所が提供する「メーター自動読み取りサービス」は、アナログメーターに専用のセンサーを取り付けて計測値を読み取るもの。工場やプラント、発電所などで自動化やIoT（Internet of Things：モノのインターネット）対応を進めようとしても、施設にはアナログな計器類が少なくない。そうした計器類のデジタル化に対応する。

　センサーで読み取った数値は、無線通信でサーバーに送信。サーバー側で、受信データの推移をグラフなどの形で表示したり、事前に設定した、しきい値を超えれば通知したりする。計測値の傾向を監視し、異常値の検出を容易にする機能も提供する（図1）。

図1：「メーター自動読み取りサービス」のサービス概要

　アナログメーターの計測値は一般に、担当者が巡回点検時に1つひとつ確認するしかない。だが、巡回には時間がかかるため、アナログメーターの計測値確認は1日に数回にとどまっていた。

　アナログメーターを通信機能付きのデジタルメーターに入れ替えれば、より頻繁に計測値を取得できる。しかし、デジタルメーター用の電源や通信路の確保が困難であることも多い。メーター入れ替えには設備全体を一度、停止しなければならない。このような事情から、アナログメーターが相当数残っているのが実状だ。

　メーター自動読み取りサービスは、日立が大みか事業所の変電設備などで実証したもの。主に製造工場やエネルギー分野の顧客への提供を考えている。電源工事が可能な設備に向けては、市販のIPカメラでメーターを自動的に読み取るサービスを日立システムズが3月から開始する予定である。