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i-Constructionに向け建機や作業員などの位置を地図や図面に表示、日立ソリューションズが発売

DIGITAL X 編集部
2018年2月19日

建設・土木業務のデジタル化を図るi-Constructionの推進に向け、建機や作業員の所在などを地図や設計図面に表示するシステムを日立ソリューションズが提供を始めた。ドローンやスマートフォンで撮影した画像を工程管理に利用する仕組みなども用意する。2018年2月13日に発表した。

 日立ソリューションズが提供するのは「GeoMation 建築・土木業向けスマートインフラソリューション」。国土交通省が推進する「i-Construction」構想に沿い、センサーなどを利用した建機の稼働状況の把握や、ドローンで撮影した画像による3D(次元)地形データなどの活用を支援する。

 具体的には、スマートフォンやセンサー、タグなどを利用し、現場の作業員や建設機械の位置を地図や設計図面上に表示。それをスマートフォンやタブレットで確認することで、作業員の安全確保や、建機の稼働状況の正確な把握などを可能にする(図1)。

図1:センサーなどで作業員や建設機械の位置を把握し、ドローン画像から3次元イメージデータを作成する

 今回発売したのは、(1)「GeoMation作業員安全支援ソリューション」、(2)「同 屋内位置把握ソリューション」、(3)「同 土量・資材体積測定ソリューション」の3つ。作業員安全支援ソリューションでは、スマートフォンを使って作業員や建機の位置情報を収集し、作業員に建設機械の接近を通知する。危険エリアを登録しておけば、作業員の危険エリアへの侵入を検知できる。位置情報は活動軌跡として記録し、作業実績管理や業務効率の分析にりようできる。

 屋内位置把握ソリューションでは、複数の企業が参加する現場や、衛星測位システム(GNSS)の電波が届かないビル建設やトンネル工事などの現場において、作業員の位置を把握し、現場への入退場や安全の管理、および避難指示などを支援する。建機や工具の位置把握にも転用できる。

 土量・資材体積測定ソリューションは、ドローンで盛土や建設資材を撮影し、3次元データから体積を測定するもの。体積量の変化を時系列で管理できる。

 日立ソリューションズは「i-Construction推進コンソーシアム」に参加しており、建設現場でのセンサーデータ活用などの実験に取り組んできた。屋内での3D位置計測と生体センサーを組み合わせた、トンネル工事などにおける作業員の安全・健康管理や、スマートフォンによる高精度な距離や体積の計測などである。今後は、これら知見やノウハウを基に、土木建設現場で発生する種々のデータの管理・分析に向けた仕組みの構築を進めたい考えだ。