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企業幹部の82%が「5年以内に人間とコンピューターがチームを組む」と回答、デル テクノロジーズ調べ

DIGITAL X 編集部
2018年2月20日

「5年以内に人間とコンピューターがチームを組んで仕事をするようになる」と考えている企業幹部が8割超--。こんな調査結果を米デル テクノロジーズが発表した。世界中の企業幹部を対象にデジタルトランスフォーメーション(DX)について聞いたもの。大多数がDXが進むと予測する一方、その成功には課題があることも浮き彫りになった。2018年2月14日に発表した。

 調査は、デル テクノロジーズの委託でイギリスの独立系調査会社Vanson Bourneが実施した。世界17カ国の大手・中堅企業の幹部3800人を対象に、2017年6月から8月にかけて調査した。回答者は企業の経営幹部、および情報システムやマーケティング、顧客サービス、研究開発、財務など各部門の意思決定者である。

 その結果によれば、回答者の82%が「5年以内に人間とコンピューターがチームを組んで仕事をするだろう」と回答。企業幹部の多くがデジタルトランスフォーメーションが新たな段階に進むと考えていることが明らかになった。

 彼らが5年以内に実現する可能性が高いと考えている分野が図1のグラフ。ただし日本企業の幹部の回答では、肯定的な見方は少なくなり、世界の半分以下の割合になっている項目もある。

図1:企業が5年以内に達成している可能性が高いとする分野

 一方で、2030年までにデジタルトランスフォーメーションを成功させるには、まだ課題が多いことも明らかになった。図2に挙げるように、戦略から具体的に実行するための人材などである。課題に関しては、日本企業も同様の傾向を示している。

図2:230年以降、デジタル企業として成功する上での課題

 デジタルトランスフォーメーションの成功に向けては、努力を続けているが自信を持てないという傾向も浮かんできた。「今後10年間、競争を勝ち抜いていけるかどうか分からない」と42%が回答しており、「変化のペースに合わせるために多大な努力を払っている」と57%が回答している。「デジタルトランスフォーメーションをいち早く進め、業務のあらゆる部分にデジタル技術が浸透している」という回答は27%にとどまった。

 加えて、デジタルトランスフォーメーションが進んだ後に、人間を取り巻く環境がどう変わると考えているかについて、生活、業務、企業の3分野について聞いた結果、どの設問でも企業幹部の見方は二分している。それぞれの設問と回答割合を表1〜表3に示す。

表1:デジタルトランスフォーメーションによる「生活」分野の変化
予測そう思う思わない
システムによる業務の自動化で労働時間が短くなる50%50%
健康管理端末によって、よりよく自身の健康を管理できるようになる46%54%
今とはまったく異なる方法で情報を収集・管理するようになる54%46%
一人ひとりに合わせた商品やサービスと消費者をつなぎ、生活を管理する端末が登場する43%57%
先端技術を使わずに生活することがいっそう難しくなる42%58%
表2:デジタルトランスフォーメーションによる「業務」分野の変化
予測そう思う思わない
コラボレーションが進んで生産性が上がる49%51%
やりたくない仕事をコンピュータに任せることで、仕事に対する満足度が高まる42%58%
学生がまだ存在していない職種に備えるために、学校はどのように学ぶのかを教えることが必要になる56%44%
AR(拡張現実)で仕事を学ぶようになる46%54%
現在自分のいる業界が10~15年後にどのような姿になっているのか予想できない50%50%
表3:デジタルトランスフォーメーションによる「企業」分野の変化
予測そう思う思わない
自動化システムに障害が発生した場合の明確な対応手順を確立する必要がある50%50%
先端技術への依存度が高まるほど、サイバー攻撃に遭ったときに敗者となる確率も高くなる48%52%
コンピュータは、受けた指示の良し悪しを判断する能力を持つ必要がある45%55%
すべての人間は世界規模でつながった労働力の一部になる49%51%
先端技術によって、それぞれの人材に最適な仕事を最適なタイミングで与えられるようになる41%59%