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工場の自動化に画像を活用、キヤノンとシーメンスが協力してシステムを提供へ

DIGITAL X 編集部
2018年2月21日

工場の自動化に向けて画像の利用するシステムの提供に向けて、キヤノンとシーメンス日本法人が協業する。第1弾として、シーメンスの産業向けコンピューターにキヤノンの画像処理ソフトウェアなどをインストールして2018年3月から日本で販売する予定だ。2018年2月14日に発表した。

 キヤノンとシーメンス日本法人の協業は、シーメンスの産業向けコンピューター「SIMATIC IPC」と、キヤノンのソフトウェアを組み合わせた工場の自動化システムの提供に向けたもの。まずは、SIMATIC IPCにキヤノンの画像処理ソフトウェア「Vision Edition」と、録画・異常監視ソフトウェア「Monitoring Edition」をインストールし、生産設備に組み込める自動化システムとして提供する(図1)。

図1:シーメンスの産業向けコンピュータ「SIMATIC IPC」。Windows OSとリアルタイムOSが並行して動作し、リアルタイムOSではPLCの機能を果たすソフトウェアが動作する

 第2弾としては、キヤノンのネットワークカメラや産業向けカメラを、シーメンスのPLC(Programmable Logic Controller)「SIMATIC PLC」と連携させる。シーメンスのSCADA(Supervisory Control and Data Acquisition:監視制御システム)である「SIMATIC WinCC SCADA」との連携も予定する。カメラと工場向け制御システムを連携させることで、画像撮影のタイミングを最適化し、画像データの蓄積・活用に向けたシステムを一括で提供する。

 キヤノンは工場の自動化システムの需要が拡大すると見て、ネットワークカメラなどのハードウェアと画像処理技術を組み合わせることで生産性向上に寄与するシステム群「Canon Industrial Imaging Platform」を提供したいという構想を持っている(図2)。今回の協業はキヤノンの構想実現に向けた一歩になる。

図2:キヤノンの工場の自動化に向けた「Canon Industrial Imaging Platform」構想のイメージ

 両社は今後も協業を続け、製造業向けシステムを順次市場に投入する考えである。