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新材料開発に向け固体の物性をナノ単位で解析するサービス、米Exabyte製をCTCが提供

DIGITAL X 編集部
2018年3月23日

新材料の設計・開発に向けて、固体の物性をナノ単位で解析し原子・分子レベルでモデリングするクラウドサービスを伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が開始した。米Exabyteが開発したサービスを国内製造業の研究部門や国の研究機関に向けて展開する。2018年3月16日に発表した。

 CTCが提供する「Exabyte.io(エクサバイト・アイオー)」は、固体の物性をナノ単位で解析したり、原子・分子単位でモデリングするクラウド型サービス。新材料の設計や開発時に利用する(図1)。

図1:原子・分子単位のモデリングで、対象の物性を解析する

 固体のナノ単位での解析には「第一原理計算」や「分子動力学計算」といった計算式を使用する。ただ、これらの計算には膨大な計算コストがかかり、デスクトップPCやオンプレミスのサーバーでは解析に長時間かかるケースが多い。

 Exabyte.ioでは、クラウドが持つ計算能力を必要に応じて増やすことで。計算コストがかさむ解析でも並列演算により処理時間を短縮する。合わせて、アメリカの大規模結晶データベース「Materials Project」と連携し、元素記号を入力するだけで関連する結晶データを取得することで、解析時間の短縮を図る。

 CTCは今後、Exabyte.ioの新機能開発にも参加し、モデリングや予測の機能を拡充する。同じ素材をミクロからマクロまで複数の縮尺で同時並行的に解析する「マルチスケール解析」機能も開発し、素材・材料分野の進展に貢献したいとしている。