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オムロン、”近未来の事業”を作り出すための研究機関を新設

DIGITAL X 編集部
2018年5月11日

オムロンが先端技術を活かしたビジネスモデルなど”近未来の事業”を作るための研究機関となる新会社を設立した。2018年4月25日に発表した。

 オムロンが近未来の事業の研究機関として新設したのは、オムロン サイニックエックス株式会社。所在地は東京都文京区本郷で、東京大学のキャンパスのそばである。研究員は、オムロンのメンバーが中心ながら、東京大学大学院や、京都大学大学院、慶應義塾大学などからも集めた。必要に応じて他の大学や研究機関とともに研究し、オープンイノベーション(共創)の考え方も採り入れる。

 オムロン サイニックエックスでは、オムロンの主な事業領域である「FA」「ヘルスケア」「モビリティ」「エネルギーマネジメント」の4領域を中心に研究を進める。これら4領域に存在する課題に対し、AI(人工知能)や、ロボット、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、センサーなどの技術を使って解決する事業を考案。ビジネスモデルの構築や、技術戦略/知財戦略の立案など、具体的な事業化につながる活動を展開する。

 さらに、オムロン サイニックエックスの支援部隊として、「エッジ型AI開発センター」(東京・品川)と「ロボティクス開発センター」(米国・西海岸)を設立した。既存の「京阪奈イノベーションセンタ」などの研究開発拠点や各事業拠点を連携させる。これにより、近未来の事業計画立案から戦略策定、事業検証、技術開発、商品開発までをオムロン全体で実行していく方針である。

 オムロンはこれまで、近年の急速な技術の進化に対応できるように社内体制を整えてきた。たとえば、2015年には技術開発を統括するCTO(Chief Technology Officer)の役職を新設。2018年3月にはオムロン全社の研究開発力の底上げを狙った「イノベーション推進室」を設置した。イノベーション推進室は、次世代の事業戦略を策定し、その成果の検証までを担当する。