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事業部門によるIT支出が2018年に5兆円弱に、IT部門の支出は7兆4000億円弱に
日本企業における2018年のIT支出において、IT部門による支出が7兆4000億円弱なのに対し、事業部門による支出が5兆円に迫る--。こんな調査結果をIDC Japanが発表した。2021年までの成長率も事業部門の支出がIT部門のそれを上回るという。2018年5月7日に発表した。
IDC Japanによれば、日本のIT市場における支出元は2018年に、IT部門による支出が7兆3463億円で全体の60.1%を占める。これに対し、事業部門による支出は残り39.9%に相当する4兆8793億円にある。
2016年~2021年の6年間における年複利成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)をみると、IT部門の支出額は1.5%なのに対し、事業部門の支出額は4%になる(図1)。この傾向は、企業規模が大きいほど高まる傾向があるという。大企業の事業部門によるIT支出のCAGRは5.1%になる。
この動きの背景についてIDC Japanは、事業部門が顧客向けサービスの改善や業務効率の向上に向けてITを導入する動きが高まっているとする。
たとえば、小売業の顧客向けサービスを改善するためにデータ分析システムを導入したり、製造現場や建設/土木現場の業務効率向上に向けてIoT(Internet of Thing:モノのインターネット)やAI(人工知能)、ドローンなどのロボットを導入するような動きである。いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた動きは事業部門主導で進んでいるということになる。
一方、DXの推進に関するアンケートでは「DXを推進するのは自分の部署だ」とする回答が最も多かったのはIT部門だった。「ほかの部門と共に、自分の部門が推進役を担う」とする回答が最も多かったのは研究開発部門と管理部門だった。研究開発部門は、新しい製品/サービスやビジネスモデルの開発に向けてDXに期待し、管理部門は、人事やセキュリティ/リスクの管理など、組織体制の強化に期待しているようだ。