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自宅のテレビで受診できる在宅医療支援サービス、オプティムが開始

DIGITAL X 編集部
2018年5月8日

タブレットなどが使えなくても自宅にあるテレビで遠隔医療が受けられる在宅医療を可能にするサービスを、Ai/IoT関連事業を手がけるオプティムが開始した。2016年10月から実証実験してきた仕組みを製品サービス化した。2018年4月26日に発表した。

 オプティムが開始したのは「Smart Home Medical Care」サービス。在宅医療などを手がける医療機関を対象に、テレビ会議やバイタルデータなどの共有機能などを提供する。佐賀県鹿島市にある祐愛会織田病院において2016年10月から実証実験に取り組んできた「在宅医療あんしんパック」を製品化するとともに、サービス名称を変更した。

 Smart Home Medical Careでは、医師と患者は自宅のテレビあるいはタブレットで対面診断を実施する。テレビを利用する場合は、Webカメラを取り付ける(図1)。織田病院における実証実験の結果では、患者の59%がSmart Home Medical Careの利用に安心を覚え、90%がテレビを利用できることを「良い」と評価したという。当初はタブレットだけが利用できた。

図1:テレビを使った在宅医療を可能にする「Smart Home Medical Care」

 患者の状態については、脈拍や血圧などのバイタルデータを専用センサーで計測するほか、患者宅の室温を温度センサーで検知する。医師から患者に呼びかけて通話を始める機能もある。バイタルサインや声をかけた履歴などは、医師側の画面でダッシュボードとして一覧表示する。

 患者の入退院状況や、医療機関のスタッフが所持するタブレットの現在位置、作業の進捗状況を確認する機能もある。患者宅の室温を医師が調節することもできる。

 オプティムは今後、Smart Home Medical Careの機能改善を図っていく。直近では、(1)ナースコール機能、(2)血圧計や脈拍計などの対応製品の拡大、(3)「AIカメラ」による患者の状況把握、といった機能を追加する予定だ。

 ナースコール機能では、これまでスマートウォッチの使用を考えてきたが、より直感的に使えるよう物理的なボタンでも利用できるようにする。

 AIカメラは、カメラ映像を基本的にAI(人工知能)によって確認する仕組み。高齢者の転倒や長時間の不在などを検知し、異常時には家族や病院に通知する。ただ日常生活を映した映像は個人情報やプライバシーの問題があるため、人が関与せず、AIによる異常の検知結果のみを利用する仕組みにする。異常検知後は、家族の同意を得たうえで、医師などが映像を確認できるようにすることを検討している。