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Industry 4.0に向けた製造現場を管理・分析するためのクラウドサービス群、SAPジャパンが提供

DIGITAL X 編集部
2018年8月21日

製造現場で発生する各種データ管理と、品質分析などの機能を持つクラウドサービス群をSAPジャパンが2018年7月27日から提供している。独政府が進める「Industry 4.0」が目指す各種設備や人員、工程の管理が可能になるとする。同日に発表した。

 Industry 4.0に向けSAPジャパンが提供するのは「SAP Digital Manufacturing Cloud」。(1)「SAP Digital Manufacturing Cloud for execution」、(2)「同 for insights」、(3)「Predictive quality」、(4)「Manufacturing network」の4種類の製造業向けサービスからなる。

 SAP Digital Manufacturing Cloud for executionは、製造現場で発生するデータをデータを包括的に管理するサービス。業務システムのデータを取り込み、製造現場にある個々の設備の稼働状態や、部品や資材の量などを可視化し、見やすい形で現場や管理者に提供する。1個単位の生産や、設計図など紙の資料を廃した生産を実現できるとする。

 同 for insightsは、生産実績を計測するサービス。製造現場の稼働状態、生産量などを、事前に設定した目標と共に表示することで、目標と実績の違いを一目で分かるようにする。

 Predictive qualityは、製品の仕様や品質を管理するサービス。完成品を分析して品質のばらつき、不具合、各種不備などを検知する。その結果を示すデータを分析し、不具合発生率などを予測し改善案を提示する。

 Manufacturing networkは、関係各社とのデータ交換を自動化するサービスだ。コンピューター数値制御(CNC:Computerized Numerical Control)による製造機器で部品を製造する企業や、3Dプリンターで試作品を製造する企業、資材供給者、技術認定機関などを結び、業務の進行を支援する。

 今回、製造現場で働く作業員の安全確保を低コストで実現するクラウドサービス「SAP Connected Worker Safety」も発表した。作業員が身につけたウェアラブル機器や各種センサーのデータから、危険な状況に陥っていることや事故が起きていることをいち早く検知したり、作業員の疲労など事故につながる要因を予測したりできる。法が定める規制に従って現場作業が進んでいるかを監視する機能もある。