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デバイスからデータ分析までをカバーするIoTプラットフォーム、米Treasure Data買収した英Armが日本でサービス開始

DIGITAL X 編集部
2018年8月28日

半導体設計大手の英Armは、先頃買収した米Treasure Dataのサービスを加味したIoT(Internet of Things:モノのインターネット)プラットフォームサービスについて、日本でもを2018年8月22日から提供を開始した。Armの半導体デバイスから、そこから集めたデータ分析までをカバーする。同日に発表した。

 英Armが日本で2018年8月22日に開始した「Arm Pelion IoT Platform」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)プラットフォームサービス。直前に買収した米Treasure Dataが持つデータ分析力までを加味したのが最大の特徴。同社IoTサービスグループプレジデントのディペッシュ・パテル氏は「エンドツーエンド、すなわちデバイスツーデータのサービスだ」と強調する。

 Arm Pelion IoT Platformは、(1)Connectivity Management、(2)Device Management、(3)Data Managementの3つのサービスからなる(図1)。Connectivity Managementは、IoTデバイスに対し、ネットワーク環境を含めた接続性を、Device Managementは、そのデバイスに対し、認証やソフトウェアのアップデート、セキュリティといった機能をそれぞれ提供する。Connectivityサービスは、2018年6月に買収した英Stream Technologiesが開発したものである。

図1:Armは、Treasure Dataのサービス(Data Management Services)を加えて、IoTの端末から通信、データまで統合管理する基盤を提供できるようになった

 そしてData Managementが、Treasure Dataが提供するデータ管理・分析サービスになる。Treasure Dataは、芳川 裕誠 氏が米国で立ち上げたビッグデータ分析のベンチャー企業。今回の買収で芳川 氏は、ArmのIoTサービスグループ データビジネス担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーに就いている。

 Armの親会社であるソフトバンクの代表取締役社長 社長執行役員 兼CEOの宮内 謙 氏は、「現在はデジタルテクノロジーを使って私たちの生活を豊かに出来るかどうかの瀬戸際にある」としたうえで、IoT関連プロジェクトを2018年に1000件実施するという社内目標に対し「すでに200プロジェクトが進行中。年内1000件達成は確実だろう」と、Arm Pelion IoT Platformに大きく期待する。

 データ分析を担うTreasure Dataは既に300以上の顧客を持つ。処理しているデータ量は、50兆レコードで、1日当たり数十万回のクエリーを実行しているという。CRM(Customer Relationship Management)やEC(電子商取引)のシステムや、IoT端末などから収集した独自データを、人口や気候などの公共データなどと統合し、分析できるとしている。