• News
  • 流通・小売り

倉庫の稼働状態を”パターン”分析し改善策を早期に提示するサービス、アビームが開始

DIGITAL X 編集部
2018年8月28日

倉庫の稼働状態を示すデータを分析し”パターン”から作業の改善策を見いだすサービスをアビームコンサルティングが2018年8月2日から提供している。同時に発表した。

 アビームコンサルティングは、倉庫業を対象にした運用管理サービス「ABeam Predictive Warehouse Management(PWM)」を手がけている。在庫や人員配置、ロボットを含めた各種設備の稼働状態などを示すデータをリアルタイムに取得し、コンピューター上に再現した仮想倉庫(デジタルツイン)を分析することで倉庫運営の最適化を図る(図1)。

図1:「ABeam Predictive Warehouse Management」は、現実の倉庫の在庫や人員、各種設備などのデータを取得して、コンピュータ上に同じ倉庫を再現する

 新たに”パターン”を使って、計画と実績がかい離した際に最適な対策を現場に提示する機能を追加した。過去の稼働実績データを分析し、荷物処理量など、業務の進ちょくを示す実績データが計画とかい離し作業に遅れが出始めたら、現場の作業員や各種設備がどのように稼働したのかを”パターン”として記録する。

 このパターンを元に、デジタルツインのシミュレーションなどから作業の遅れが見え始めたら、作業員や各種設備がどう動けば最善の結果が得られるのかを分析する。最善の結果が得られる動きは「アクション」として記録し、パターンとアクションの組み合わせを「パターンテーブル」に保存する(図2)。

図2:過去の稼働実績データから、計画と実績が乖離し始めた時の動きを示す「パターン」と、対策となる「アクション」を作成する

 PWMは倉庫の稼働状況からパターンを作成し、常にパターンテーブルと照合する。合致するパターンが見つかれば、計画と実績がかい離し始めたと判断し、そのパターンに対するアクションを現場に提示する。これにより、計画通りの稼働状態に戻せる可能性を高める。

 PWMは、デジタルツイン上でのシミュレーションにより、発生中の問題への最適な対応策を検証する機能を持つ。ただし、同機能ではシミュレーションで導き出した対策を検証し、結果をみながら条件などを調整する必要があり、現場に指示する最適な対策を決めるまでには時間がかかっていた。パターンを事前に用意することで、最適な対策を見つける時間を短時間できるとしている。

 PWMの価格は、サービス内容や提供期間によって変動する。新規導入時の価格は3500万円程度、PWMを導入済みで新機能を追加する場合は、保守サービスの一環として提供する。