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自治体データと外部サービスの連携を容易にするクラウドサービス、日立が提供

DIGITAL X 編集部
2018年9月5日

自治体システムのセキュリティを確保しながら、自治体が持つデータを外部から安全に使用したりするためのクラウドサービスを日立製作所が2018年10月1日から開始する。外部クラウドサービスを自治体のサービスに組み込むことも可能になる。2018年8月20日に発表した。

 日立製作所が2018年10月1日に開始する「地域IoT連携クラウドサービス」は、自治体が持つデータをオープンデータ化したり、逆に外部のクラウドサービスを自治体システムと連携できるようにしたりするもの。情報漏えいやウイルス感染などを防ぐために、インターネットから切り離されているLGWAN(総合行政ネットワーク、LGWAN:Local Government Wide Area Network)はそのままに、安全性を確保しながら外部との連携を実現する(図1)。

図1:地域IoT連携クラウドサービスを利用すると、自治体ネットワークからインターネット上のサービスを利用したり、便利なデータを取得することができる

 地域IoT連携クラウドサービスは「地域クラウド間接続機能」と「接続インターフェース機能」の2つの機能を提供する。地域クラウド間接続機能は、インターネット上のクラウドやサーバーと接続し、データを取得し、蓄積する機能を持つ。蓄積したデータを分析することも可能だ。

 接続インターフェース機能は、地域クラウド間接続機能で取得してきたデータに匿名化の処理を施したり、ユーザー認証の機能などを提供する。データの取得経路は、攻撃を受ける可能性を下げるための安全対策を施している。地域クラウド間接続機能がインターネット上のサーバーやクラウドからデータを取得する際には無害化通信を利用することで、データにウイルスなどが入り込むことを防ぐ。

 地域クラウド間接続機能と接続インターフェース機能を提供するサーバーは、それぞれが異なるネットワークに配置され、ネットワークも分離されている。それぞれの機能間では問題なくやり取りができるが、攻撃者が入り込んだ歳には、もう1つのネットワークにはアクセスできないことになる。

 地域IoT連携クラウドサービスを利用することで、自治体が蓄積する防災やエネルギー、ヘルスケア、観光、交通など。さまざまな分野のデータを外部から分析できるようになる。また、地域内に分散する情報を一元管理したり連携させたりすることで。地域全体の課題解決にもつなげられるとしている。

 政府が主導するSociety5.0の実現や、自治体における「自治体SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」の推進、2017年度に施行された「官民データ活用推進基本法」などはいずれも、データを使って各組織や社会の課題解決を目指している。だが、セキュリティの観点から自治体のシステムはインターネットから切り離されており、安全な連携方法が必要になっていた。

 日立は今後、地域IoT連携クラウドサービスを使いながら、自治体に各種サービスを提供したい考え。そのために地域IoT連携クラウドサービスの機能強化も図るとしている。