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ネットビジネスで増える小口配送にも対応できる倉庫管理システム、米マンハッタン・アソシエイツが開発

DIGITAL X 編集部
2018年9月10日

ネットビジネスにより増える小口配送を、従来型の倉庫においても対応可能にする倉庫管理システム(Warehouse Management System:WMS)を米Manhattan Associatesが開発した。日本法人が2018年8月28日に発表した。

 米Manhattan Associatesが開発したのは、大口配送を前提とした従来型の倉庫においても、ネットビジネスで増えている小口配送にも対応できるようにするシステム。「オーダーストリーミング」と呼ぶ機能により、複数注文をまとめて処理する「ウェーブ方式」で対応すべきか、1件1件の注文に個別に対応すべきかを自動的に判定することで、小口配送専用の設備を設けなくても、大口/小口の双方に対応できるとしている。

 同社によれば、従来型倉庫のほとんどは、大量生産された製品の保管場所としての役割を前提に設計されている。そのため最も効率よく注文を処理する方法は、複数の注文をまとめて1回で出荷するウェーブ方式であり、倉庫管理システムも、それに最適化されてきた。

 これに対し、ネットビジネスなど消費者に直接商品を販売するケースでは、小口注文にならざるを得ず、従来型の倉庫管理システムでは効率よく処理できなかった。そのため、従来型の主要倉庫のほかに2次施設や小口配送専用エリアを設けて対応している。しかし、別の施設を置くことは、建設コスト、在庫コスト、運営のための人件費が余計にかかることになる。

 オーダーストリーミング機能を使えば、専用エリアは不要で、受注処理時間の短縮や、作業精度向上、サービスレベルの改善などが期待できるという。また同社の倉庫管理システムには、倉庫実行システム(WES:Warehouse Execution System)が組み込まれているため、メーカーが異なる各種自動化機器を連携させて、倉庫作業の自動化も図れる。

 今回、管理者が倉庫の稼働状況を確認するためのGUI(Graphical User Interface)も改良した。PCだけでなくタブレットでも利用でき、倉庫の稼働状況、処理能力の変化を確認し、問題発生時はリアルタイムで対応できる。操作方法のトレーニングをそれほど受けていなくても操作できる「アソシエート・バージョン」も用意した。