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屋外作業員の熱中症を予測するスマートウェア、クラボウや沖縄セルラー、KDDIが沖縄県で実証

DIGITAL X 編集部
2018年9月11日

熱中症の発症を防ぐスマートウェアの実証事業をクラボウ(倉敷紡績)や沖縄セルラー、KDDIらが沖縄県で開始した。「暑熱環境」にある環境で熱中症の可能性を適切に検知できるアルゴリズムの開発を目指す。2018年8月28日に発表した。

 今回実証するのは「熱中症リスク管理支援システム」。暑熱環境下での作業リスクをリアルタイムに評価し、その結果を現場管理者と現場作業員に通知することで熱中症予防に役立てるのが狙い(図1)。熱中症予防に役立つ知見は沖縄県にも提供し、県が県内の熱中症対策に役立てる。

図1:スマートウェアが検知した生体データをスマートフォン経由でクラウドに送信し、クラウドでは気象情報と合わせて生体データを分析して暑熱作業のリスクを評価する

 そのためにスマートウェアを使って生体データを収集。日本気象協会が提供する沖縄県の気象データと組み合わせてクラウド上で分析する。データ解析とアルゴリズム開発は大阪大学基礎工学研究科が担当する。日本の全国平均よりも気温や温度が高い沖縄県のような気候条件下でも熱中症リスクを検知できるアルゴリズムの開発を目指す。

 スマートウェアは、クラボウが開発した「Smartfit(スマートフィット)」を使用する。着用者の心拍や体温、動作時の加速度を検知し、BLE(Bluetooth Low Energy)の通信機能でデータを送出する。クラボウは、Smartfitで取得した生体データから暑熱作業リスクを評価するシステム「Smartfit for work」を開発し、2018年5月からサービスを開始してもいる。

 実証現場になるのは、大米建設とサンワコムシスエンジニアリングが担当しているKDDI那覇ビルの解体工事とau基地局工事。工事現場の作業員にSmartfitを着用してもらい、スマートウェアが送信してくる心拍、体温、加速度などのデータを5カ月間収集する。