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ライオン、舌の画像から口臭リスクを検知するアプリを東急百貨店で実証

DIGITAL X 編集部
2018年10月9日

ライオンは、デジタル変革の一環で開発中の口臭リスクを検知するスマートフォン用アプリケーションの実証実験を東急百貨店本店で実施する。スマホで撮影した舌の画像から口臭リスクを割り出すもので、接客現場などでの利用を想定している。2018年9月18日に発表した。

 ライオンが開発中のスマートフォン用アプリケーション「口臭ケアサポートアプリ」は、スマホのカメラで舌を撮影すると、口臭の度合いを判定するもの(図1)。保有する口臭の実測値と、それに対応する舌の画像データを使って学習したAI(人工知能)を利用している。

図1:舌の汚れなどをスマホで撮影した画像で分析して口臭発生リスクを判定する

 同アプリは、ライオンが2018年1月に立ち上げた「イノベーションラボ」が企画・開発しているもの。AIモデルの構築には富士通クラウドテクノロジーズのAI活用支援サービスを、アプリケーション開発には、ヘルスケア分野のスマホアプリ開発などを手がけるエムティーアイの開発サービスを、それぞれ利用した。

 イノベーションラボは、ライオンのデジタルトランスフォーメーションに向けた新規事業創出を全社的に加速させるためのハブ組織である。独SAPと連携し、SAPが推進するデジタルシンキングの手法も採り入れながら活動している。

 今回、同アプリの実用化に向けて、東京・渋谷にある東急百貨店本店で実証実験する。店頭で接客に当たるスタッフ50人を対象に2018年10月から役1カ月間の予定で実施する。東急百貨店としては、身だしなみの一環として口臭にも機を使うことで、自信をもって接客でき、おもてなしを高められるという仮説を検証する。

 実験の参加者には、事前に口臭に関する一般的な情報と、口臭ケアの具体的な方法、およびスマホアプリの使い方を説明する。勤務時間中や休憩時間など、口臭があるかどうか不安を感じればアプリで口臭リスクを確認。口臭リスクがあれば、それに応じたオーラルケアを実施する。自身による口臭ケアが接客時の心情にどう影響するかは、アンケートなどで調査・確認する計画だ。

 ライオンは実証実験の結果を検証し、ユーザーインタフェースや機能を改善し、口臭ケアサポートアプリの実用化を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ライオン
業種製造
地域東京都墨田区
課題デジタル変革の一環で新規開発した口臭リスクを測るアプリケーションの実用化を図りたい
解決の仕組み接客現場を持つ東急百貨店本店で実証実験し、機能や使い勝手を検証する
推進母体/体制ライオン、東急百貨店
活用しているデータスマホのカメラで撮影した舌の画像
採用している製品/サービス/技術「口臭ケアサポートアプリ」(ライオン製、AIモデルは富士通クラウドテクノロジーズの支援サービスで、アプリケーション開発にはエムティーアイの開発サービスを利用)
稼働時期2018年10月からの約1カ月(実証実験の期間)