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複雑で大量の取引を確実・安全に実行するためのブロックチェーン環境のクラウドサービス、日立が開始

DIGITAL X 編集部
2019年4月2日

ブロックチェーンを活用した大量取引を安全に実行するための基盤サービスを、日立製作所が2019年3月29日から開始している。ブロックチェーン基盤の一つ「Hyperledger Fabric」の利用環境をマネージド型クラウドサービスにし、セキュリティを高めて提供する。2019年3月14日に発表した。

 日立製作所が2019年3月29日に提供開始した「Hitachi Blockchain Service for Hyperledger Fabric」は、企業間の取引などに適したブロックチェーン基盤の1つである「Hyperledger Fabric」の利用環境を提供するマネージド型のクラウドサービス(図1)。生産・流通プロセスのサプライチェーン管理や貿易業務などにおいて、企業や国・地域をまたいで発生する大量の取引を、確実かつ安全に実行できるとしている。

図1:安定性の高い取引を支援するクラウドサービス「Hitachi Blockchain Service for Hyperledger Fabric」の概要

 複数企業間での全取引順序を確定する処理の信頼性を高めるために「分散合意技術」を使う。分散型システムでの取引を同一の結果に確定させるための技術で、ネットワークや機器の障害が発生した場合でもデータの一貫性を確保できるという。

 セキュリティを高めるオプションを用意する。台帳の監視ツールを用いて、ブロックチェーン基盤に記録した取引情報の整合性を定期的に検証し、データの改ざんを検知した場合はユーザーに通知する。

 指静脈情報を用いて電子署名を生成する技術と公開鍵認証基盤(PKI)組み合わせた「公開型生体認証基盤(PBI)」を用いる。参加企業の本人認証に必要なパスワードなどの管理が不要になる。

 また、ブロックチェーンのビジネス利用に関する技術コンサルティングや、実証実験からビジネス利用に至るまでのブロックチェーン環境の導入・構築、運用、アプリケーション開発などを包括的に支援するサービスもオプションで用意する。

 Hitachi Blockchain Service for Hyperledger Fabricは、実証実験などに適した最小構成の「Starter」と、ビジネス利用を想定した「Standard」の2タイプで提供する。Starterの利用料金は月額14万円(税別、以下同)から。初期費用として導入サービス料20万円が別途かかる。