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収穫用ロボットを開発するための農業シミュレーター、プラスプラスが開発

DIGITAL X 編集部
2020年2月13日

収穫や摘果の作業をする農業ロボットを開発するための農業シミュレーターを岩手県盛岡市のベンチャー企業、プラスプラスが開発した。仮想空間に表現した農園で仮装ロボットに収穫や摘果のための機械学習を実施する。農作業ロボットの機械学習時間を短縮できるという。2020年2月5日に発表した。

 ベンチャー企業、プラスプラスが開発した「Smart3tene(スマート・ミテネ)」は、農作業用ロボットの挙動を開発するための農業シミュレーター。3D(次元)CG(コンピューターグラフィックス)で表現する仮想空間に、実際の植物の観察から経験的に得られたアルゴリズムを用いて、多様な樹木や果実、野菜などのた仮想農園を表現している(図1)。

図1:「Smart3tene(スマート・ミテネ)」は、仮想空間に多様な樹木や果実、野菜の農園環境を再現し、ロボットによる摘果や収穫のシミュレーションを可能にする

 仮想農園の中で仮想ロボットを動作させ、機械学習を実施することでロボット開発の効率化と開発にかかる予算の低減が可能となるとする(図2)。Smart3teneの仮想農園は全天候型で、天候のほかに季節や時間の経過も設定できる。

図2:Smart3teneは農業用ロボットの開発の効率化と低予算化を支援する

 農業用ロボットのための機械学習用途のほかに、農作業環境の表示機能を使った農業環境の可視化ソフトウェアとしても活用できるとしている。VR(仮想現実)による農業体験や、農業従事者への教育、農地レイアウトの検討など、農環境のシミュレーションシステムとしても利用できるという。

 農業分野では、担い手の減少を背景に、AI(人工知能)を使ったロボットによって農作業を自動化する機運が高まっている。しかし、機械学習には大量のデータが必要にもかかわらず、作物の育成状況が多岐にわたるため、育成状況ごとの農作業データの用意が難しい。

 結果、農業用ロボットの開発には大量の時間とリソース、予算が必要になり、それがロボットの挙動を指示するための機械学習の障害になっている。Smart3teneの仮想空間であれば、挙動開発が容易になるというわけだ。