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Osaka Metro、ARを活用した経路案内アプリの提供開始

DIGITAL X 編集部
2020年3月17日

Osaka Metro(大阪市高速電気軌道)が、AR(拡張現実)技術を使った経路案内アプリを2020年3月16日から提供している。GPS電波が届かない地下構内でも出入り口やバスターミナルへの経路を案内できる。2020年2月14日に発表した。

 Osaka Metro(大阪市高速電気軌道)が2020年3月16日から提供している「Osaka Metro Group 案内アプリ」は、駅からの経路を案内するスマートフォン用アプリケーション。AR(拡張現実)技術を使い、梅田駅やなんば駅などに置かれた「ARナビボード」にスマホをかざすと、目的地に向けた出入り口やバスターミナルまでの経路を「動く矢印」で画面上に表示内する(図1)。

図1:「ARナビボード」(左)と、ARを用いた経路案内のイメージ

 駅構内での経路案内の課題は、GPS(全地球測位システム)の電波が届かないこと。今回、パナソニックの光ID技術「LinkRay」と、それを使った「ARナビゲーション」を採用することで、ビーコンなどの機器を設置せずに、駅構内での案内を実現した。

 LinkRayは、デジタルサイネージ(電子広告)や照明などに組み込んだLED光源を使った送信機からのID信号をスマホで受信し、コンテンツを入手するための技術。Osaka Metro Group 案内アプリでは、LinkRayでアプリ利用者の現在位置を測定している。

 そこから、スマホに搭載するARエンジンを使って3次元空間での推定移動量を積算することで現在地を割り出す。その値をスマートフォンに搭載されている気圧センサーや加速度センサーの情報を使って補正することで、人ごみでの歩行や、階段/エスカレーターでの上下動にも追従し、精度を高めているという。

 なおOsaka Metro Group 案内アプリでは、経路案内のほか、Osaka Metroおよび他鉄道への乗換案内や、臨時ダイヤに対応した時刻表、プッシュ通知に対応した運行情報、「Whityうめだ」や「ekimo梅田」など近隣商業施設案内が利用できる。英語、中国語、韓国語に対応する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)
業種交通
地域大阪市(本社)、「ARナビボード」設置はOsaka Metroの梅田駅、東梅田駅、西梅田駅、なんば駅、ドーム前千代崎駅、大正駅の改札付近
課題GPS電波が届かない地下鉄駅構内からの経路を案内したい
解決の仕組みLED光信号を使った位置測定とAR(仮想現実)技術を使って、目的地までの経路をスマホ画面に表示する
推進母体/体制Osaka Metro、パナソニック/パナソニック システムソリューションズ ジャパン
活用しているデータ測位した位置や、気圧、加速度など
採用している製品/サービス/技術光ID技術「LinkRay」や「ARナビゲーション」(いずれもパナソニック製)
稼働時期2020年3月16日