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豪雨災害に備えため池を遠隔監視するためのIoTサービス、Braveridgeが発売

DIGITAL X 編集部
2020年9月15日

豪雨災害に備える自治体を対象に、ため池を監視するためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービスを、IoT関連製品を開発するBraveridgeが2020年11月から開始する。水位センサーとカメラを使い遠隔地から、ため池を監視する。2020年8月28日に発表した。

 Braveridgeの「ため池管理システム」は、ため池の水位を遠隔監視するためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービス。水位センターと監視カメラの画像によって測定した水位をPCやスマートフォンなどのWebブラウザからリアルタイムに確認できる(図1)。

図1:「ため池管理システム」では、PCやスマートフォンから水位を確認できる

 自治体などの管理者が使う総合管理画面では、複数のため池の状況を一括して管理できる。気象情報やハザードマップと合わせた確認もできる。監視カメラの画像は、定期的な撮影のほか、PCやスマートフォンからの遠隔操作でも撮影できる。水量のほか、洪水吐の流木やゴミなどの確認にも使える。豪雨の際には、水の取り入れ口を閉鎖したり、事前に放水したりするなどの対策が打てるようになるとしている。

 水位センサーやカメラが撮影したデータは、低消費電力のBluetooth Low Energyと携帯電話用通信回線LTE(Long Term Evolution)を組み合わせてルーターに集約。そこからクラウドに送信する(図2)。水位センサーやカメラなどの機器は、太陽光発電あるいは独立電源で駆動する。

図2:「ため池管理システム」の構成図、すべての機器は無線接続で独立して稼働する

 本システムは、福岡県新産業振興課が実施する「福岡県IoT推進ラボ」の「令和元年度IoTリーディングモデル創成事業」に採択され開発した。福岡県IoT認定製品として、県内の6市町村にあるため池に試験導入されている。試験では豪雨の際も現地に行くことなく危険を回避しながら状況を確認できたとしている。

 ため池管理システムは、2020年8月28日に販売を開始し、11月から出荷する予定。予定する価格は、ソーラー電池一体型ルーターと水位センサー1台に、初期設定を含めた基本セットが32万円(税別、以下同様)、LTE通信費を含むシステム使用料が年間3万円。監視カメラはオプションで提供する。