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ドライブレコーダーの画像から脇見やスマホ操作などの“ながら運転”を検出する技術、デンソーテンが開発

DIGITAL X 編集部
2021年3月15日

ドライブレコーダーの映像から、ドライバーの脇見や片手運転、居眠りなどを抽出する技術をデンソーテンが開発した。既存のカメラ映像から抽出できるのが特徴で、販売済みの法人向けドライブレコーダーに追加機能として提供する。画像認識技術を提供したディジタルメディアプロフェッショナルと共に2021年2月24日に発表した。

 デンソーテンらが開発したのは、走行中のドライバーによる“ヒヤリハット”な行動をドライブレコーダーの映像から抽出する技術。脇見やスマートフォンの操作による片手運転といった、ながら運転や居眠り運転などの場面を自動で抜き出す。デンソーテンが発売する法人向け通信型ドライブレコーダー「G500Lite」の追加機能として追加し、安全運転教育に強い製品として提供したい考えだ。

図1:ドラレコの画像から“ながら運転”などの行動場面を画像解析により抽出する

 G500Liteでは、走行中のふらつきや車間距離、急ハンドル/急ブレーキなど危険度の高い“ヒヤリハット”な行動検知し、その際の映像をクラウド上に送信・蓄積している。同データを分析した結果、前方不注意や漫然運転など“ながら運転”に関わる事故要因が非常に多いことが分かった。

 今回開発した技術により、事後的に“ながら運転”時の映像を抽出し、同画像を使っての客観的な安全運転教育が可能になる。ドライバーの安全意識を高め、過失による交通事故の抑制につながると期待する。また強い衝撃の原因が、外的要因かドライバーの不注意による要因かもAI(人工知能)が自動的に判断するため、管理者が原因を把握するのに掛かる工数削減にもつながるとしている。

 新技術では、既存のカメラによる映像からも対象画像を抽出できるようにした。クラウドに自動送信された画像から、顔の向きや目線などを解析している。解析精度を高めるために、デンソーテンが長年蓄積してきた実際の事故データを使用した。

 対象物やシーン(交差点、カーブ、直線)、要因などの別にタグ付けして分析した結果に合わせて、車内カメラに映ったドライバーの動作も学習することで、ながら運転や居眠り運転の抽出精度を高めたという。

 画像認識には、GPU(画像処理装置)関連技術を開発するディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)が持つ画像認識ソフトウェアサービス「ZIA Cloud SAFE」を使用している。