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自営PHSやコードレス電話と干渉しないプライベートLTE用アクセスポイントなど、NECが発売

DIGITAL X 編集部
2021年5月13日

2020年12月から利用可能になった周波数チャネルに対応したプライベートLTEシステムを構築するためのアクセスポイント(AP)とAPコントローラーをNECが2021年4月28日に発売した。自営PHSやコードレス電話との干渉を受けない自営LTEを構築できる。同日に発表した。

 NECが発売したアクセスポイント(AP)とAPコントローラーは、1.9ギガヘルツ帯を使ったプライベートLTE用の規格である「sXGP」に沿った通信機器(図1)。2020年12月から運用されている新周波数チャネルに対応した。以前に出荷済みのNEC製sXGP対応APも、ソフトウェアアップデートにより新周波数チャネルに対応できるという。

図1:新周波数チャネルに対応したsXGP対応アクセスポイント(左)と同コントローラー

 新周波数チャネルに対応することで、同じ敷地や建物内で使われている自営PHSやDECT(デジタルコードレス電話)との干渉なしに利用できるようになった(図2)。設計工数も約2分の1になり、エリア設計やシステム構築の効率と柔軟性が高まっているという。

図2:新周波数チャネルに対応したことのメリット

 VLAN(バーチャルLAN)に対応し、複数の通信グループを設定できる。音声やカメラ、センサーなどの用途別にを分ければ、セキュリティおよびネットワーク設計の柔軟性が高まるとする。APごとに接続する端末を制御できるため、テナントごとに接続できる端末を分けるなど1台のAPコントローラーでの複数拠点へサービスを展開できる。

図3:複数拠点、APN(Access Point Name)単位の接続制御のメリット

 コミュニケーションサーバーとして、「UNIVERGE SV9300CT」をsXGPシステムに対応させた。従来は「同SV9500CT」だけだった。同サーバーを使った病院向けシステムとして、sXGPで無線化した内線システムとナースコールシステムの連携も図る。

 sXGPは免許不要で使用でき、無線LANなどと比べ外来ノイズが少なく通信の安定性が高いのが特長だ。LTEのSIM認証や閉域のネットワーク構成により、秘匿性の高い無線通信環境を構築できるため、病院や工場、倉庫などでの音声通話やデータ通信などに活用されている。ただ従来の周波数チャネルでは自営PHSなどとの干渉が問題になっていた。

 NECは、本システムを2025年度までに累計1000システム以上の提供を目指す。