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粉体を自動で秤量するためのAIシステム、エクサウィザーズが開発
2021年5月28日
多品種・多物性の粉体を自動で秤量するためのAI(人工知能)システムを、AI関連サービスを手掛けるエクサウィザーズが開発した。漢方薬大手のツムラが、漢方薬の品質試験工程に試験導入を始めているという。2021年5月13日に発表した。
AI関連サービスを手掛けるエクサウィザーズが開発したのは、粉体を扱う製造業における秤量を自動化するためのロボットシステム。同社が提供するロボット自動学習システム「COREVERY」を使って、多品種・多物性に対応できるようにした。
具体的には、すくい取りと振り落としの2つの動きをロボットに学習させた。すくい取りは、粉体容器に対して適切なすくい取り位置を推定し、一定量をすくいとる動き。振り落としは、すくい取った粉体を振り落として、目標の秤取量に合わせるための動きだ。
開発したシステムを漢方薬大手のツムラが研究開発部門へ試験導入を始めている。129種類の多品種・多物性の漢方薬における品質試験検体処理作業に適用する。2022年度中の漢方薬生産施設への導入を目指す。
粉体製造業における秤量作業では、特定の粉体に対応した専用機械による自動化が図られている。だが、同一工程で特製が異なる粉体の自動秤量が難しく、粉の特性を理解した担当者が手作業で対応する要があった。
粉体秤量に使ったCOREVERYは、AI(人工知能)やプログラミングの知識なしに、各種ロボットに動作を学習・実行させることが可能なシステム。化学薬品などを配合のために試験管を振り続けたり、形が一定ではない食品を盛り付けたり、熟練者の動作の再現などに利用できるという。