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デジタル保険商品を開発・運用するためのサービス、Finatextが開始

DIGITAL X 編集部
2021年5月31日

保険の申し込みから請求までをネット上で完結するデジタル保険を開発・運用するためのサービスをFintech事業などを手掛けるFinatextが2021年5月13日に開始した。標準8週間でデジタル保険商品を投入できるという。同日に発表した。

 Fintech事業などを手掛けるFinatextの「Inspire Express(インスパイア・エクスプレス)」は、ネット上で完結するデジタル保険商品を開発・運用するためのサービス(図1)。顧客が操作するUI(User Interface)機能をローコード開発で実現することで、標準8週間でサービスを開始できるという。第1号ユーザーとして、エポス少額短期保険が会員向け保険「エポス少短 生活サポート保険」を開発し、提供を開始している。

図1:「Inspire Express」提供イメージ

 デジタル保険の提供に必要なシステムは大きく、(1)保険契約者が保険商品を申し込んだり保険金を請求したりする「顧客フロント」、(2)保険会社が保険商品の登録や契約を管理する「管理コンソール」、(3)保険商品・契約データを扱う「保険基幹システム」の3つに分かれる。

 これらのうち、管理コンソールと保険基幹システムは、Finatextは既に「Inspire(インスパイア)」と呼ぶサービスを提供してきた。今回、Inspireにローコード開発の顧客フロントを組み合わせることでInspire Expressとした。

図2:「Inspire Express」の管理コンソールの画面例

 顧客フロントでは、保険商品の申し込みフォームや、マイページの契約確認、保険金請求などの機能をひな形として提供する。Finatextのエンジニアが保険商品データをInspireに登録すれば、必要な機能をほぼ搭載した顧客フロントが生成される。利用企業は、ページのデザインや訴求メッセージなどをカスタマイズすれば良い。Finatextによれば、スクラッチ開発では設計から提供まで約4~5カ月がかかる。

図3:「顧客フロント」で作成したスマホアプリの画面例

 Inspire Expressの消費者の利用状況を分析するために、データ分析サービス「KARTE」(プレイド製)も用意する。ネット上での消費者の振る舞いを分析することで、顧客体験の改善が図れるとする。

 Finatextは、Inspire Expressの提供に合わせて、生命保険会社や損害保険会社によるデジタル保険のトライアルやPoC(概念実証)、少額短期保険会社によるデジタル保険の立ち上げを支援するとしている。