• News
  • 交通

自治体や企業がMaaSを提供するために必要な基盤サービス、MONETがオンデマンドバスと移動診療から開始

DIGITAL X 編集部
2021年7月1日

自治体や企業が各種のMaaS(Mobility as a Service)を提供する際に必要になる基盤サービスを、MaaS関連サービスを手掛けるMONET Technologiesが2021年8月から開始する。まずは、オンデマンドバスと移動診療のためのサービスから提供する。2021年6月10日に発表した。

 MaaSに関連するサービスやデータを提供するMONET Technologiesが、各種のMaaS(Mobility as a Service)を自治体や企業などが事業体として提供する際に必要な基盤サービスの提供を開始する。同サービスを使うことで、地域住民などの生活を支えるためのMaaSの提供が可能になるという。

 具体的には、事業者が利用する管理者用システムと、運転手および顧客が利用するスマートフォン用アプリケーションなどの提供である。まずは(1)オンデマンドバスと、(2)移動診療のための「モバイルクリニック」のためのサービスから提供する。順次、対応するサービスや機能を拡充するとしている。

 オンデマンドバス用では、乗降場所や利用日時、人数などを利用者がアプリで指定し予約する(図1)。乗降場所は、利用客が事前に設定した自宅付近と、管理者が設定したバス停とが選べる。過去の予約履歴から乗降場所を選択しての予約もできる。

図1:オンデマンドバスサービス用スマホアプリの画面例

 事業者は、オンデマンドバスの運行管理に加えて、各種お知らせや、飲食店やスーパーなど近隣施設のクーポンを配信することで、地域内の回遊性や各種施設の利用率を高められるとしている。

 一方のモバイルクリニックは、看護師が移動診療車に乗車して患者宅を訪問し、ビデオ会議システムを使って遠隔地にいる医師による診療を提供するサービスだ。医療機器やビデオ会議システムなどを設置した車両も提供する。

 患者の症状などを踏まえ病院や診療所が事前に指定した患者を対象にしたサービスを想定する。複数の診療所や病院が車両や運転手を共有しながら、診察予約に合わせた配車時間や診療可能な時間を一元管理できるという。

 当面は、看護師などが管理システム上で予約を受ける形だが、患者や家族などがスマホアプリから予約や予約状況の確認ができるようにする予定である。

 いずれのサービス向けであっても、管理者用システムでは、車両の稼働時間や乗降場所を設定したり、車両ごとの稼働状況などを確認したりを可能にする。MaaSのための車両割り当てにおいては、時間帯や曜日によって車両の用途を変更することで、稼働率を高め遊休時間を削減できるという。

 運転手用スマホアプリでは、配車の予約状況や、それに応じた最適な運行ルートを確認できる。利用者用では、配車される車両の位置を地図上でリアルタイムに確認したり、事業者が配信するお知らせや関連施設で利用できるクーポンを受け取ったりが可能だ。

 利用客向けアプリは、スマホアプリのマーケットストアである「App Store」と「Google Play」で提供する。利用者は1つのアカウントで、例えば居住地域のMaaSと旅行先のMaaSなど、MONETが提供する基盤から提供される複数のサービスを利用できる。