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オフィスビルや複合商業などを対象にした顔入退・顔決済システム、NECが発売へ

DIGITAL X 編集部
2021年10月25日

オフィスビルや複合商業施設、集合住宅などにおける入退出や決済のための顔認証システムをNECが2021年11月中旬から順次発売する。エリア内での“顔パス”を実現できるとしている。2021年10月12日に発表した。

 NECが今2021年11月中旬から発売するのは、オフィスビルや複合商業施設、集合住宅などを対象にした顔認証システム。建物への入退場や売店の決済などを一度の顔情報の登録で利用できるようにする。ビルなどが提供する各種サービスに対し、生体認証によるID連携を図る(図1)。

図1:ビルなどが提供する各種サービスに対し、顔認証によるアクセスを可能にする

 例えば入退出では、ビルやフロア入口に設置した入場ゲートなどを、マスク着用のまま通過するウォークスルーが可能になる。受付タブレットなどと組み合わせた運用ほか、既存の入退室管理システムとの連携もできる(図2)。

図2:顔認証による入退出システムの利用形態の例

 決済では、ビル内の売店や食堂などで現金やカードを使わない決済を可能にする。対面レジやセルフPOS(販売時点情報管理)、既存の店舗システムやPOSレジなど各種の形態に対応する(図3)。PINコード(暗証番号)を併用した2要素認証にも対応する。

図3:顔認証による決済システムの利用形態の例

 顔認証用端末「NEC 顔認証エッジデバイス」も用意する(写真1)。マスク着用時でも使用できる顔認証技術や、なりすまし対策、タッチ不要の起動/操作を可能にする人感センサーなどの機能を搭載している。

写真1:顔認証用端末「NEC 顔認証エッジデバイス」の外観

 顔認証を用いた新しい技術やシステム、サービスなどを共創するための取り組みも強化する。生体認証による共通IDを対象に、本社内に置く共創スペース「NEC I:Delight(アイディライト)Lab」における検証を支援する。リコーや金庫のクマヒラ、飲料メーカーのダイドードリンコ、サービス管理ツールの米ServiceNow日本法人などとの共創が始まっているという。

 今回の顔入退・顔決済システムの構成例と価格、提供開始時期は表1のとおりである。

表1:顔入退・顔決済システムの価格と提供開始時期
分野提供形態(右に例示する料金/価格の構成例)/製品名初期費用(税別)月額利用料(税別)提供開始時期
顔入退システム入退管理システム連携 タブレット型(顔入退タッチポイントが20カ所/既存入退管理システムとの連携あり)1500万円から41万円から2021年11月中旬
受付タブレット型(顔入退タッチポイント2台/入退管理システム連携なし)300万円から32万円から
顔決済システムPOS改造不要型(有人レジ5カ所/POS決済情報と連動なし)330万円から16万円から
顔認証端末NEC 顔認証エッジデバイス(プラットフォーム連携エッジソフトウェアなども含む)35万円から--2021年11月下旬

 NECはスマートビルディング関連事業において2025年度に300億円の売り上げを目指す。