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AIが動作するエッジデバイスを開発するための包括的なソリューション、英Armが発表

DIGITAL X 編集部
2021年10月27日

AI(人工知能)システムが動作するエッジデバイスなどの開発に必要なハードウェアからソフトウェア、サービスまでを包括的に組み合わせたソリューションを英Armが2021年10月18日(現地時間)に発表した。画像認識や音声認識といった用途別のリファレンスモデルなども用意し、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連製品の開発期間の短縮を支援する。クラウド上でのソフトウェア開発を可能にする仮想SoC(システム・オン・チップ)も用意する。

 英Armが発表した「Arm Total Solutions for IoT」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連製品の開発に必要な要素を包括的に組み合わせたソリューション。AI(人工知能)ソフトウェアが動作するエッジデバイスなどを想定し、ハードウェアだけでなく、機械学習(Machine Learning:ML)モデルやリファレンスコード、各種サポートまでを用意することで、設計プロセスの簡素化と製品開発の効率化を支援する。

 そのためArm Total Solutions for IoTは、画像認識や音声認識など具体的な用途を考慮して設計されている。第1弾ではキーワード認識に対応している。今後、汎用的な用途のほか、音声認識や画像認識といった用途をカバーしていく(図1)。

図1:「Arm Total Solutions for IoT」のロードマップ。ArmのWebサイトより

 開発期間の短縮策として今回、ArmベースのSoC(システム・オン・チップ)をクラウド上で仮想的に構成する「Arm Virtual Hardware」を用意した。IoTデバイスなどのソフトウェア開発者は、物理的なチップの出荷が始まる前にソフトウェアを開発・テストしたり、顧客からのフィードバックを得たりが可能になる。既に「AWS(Amazon Web Services)Marketplace」上で提供を始めている。

 クラウド上では、CI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デプロイ)やDevOps(開発と運用の融合)、MLOps(機械学習の開発と運用の統合)といったアジャイル開発の手法を取り入れられる。数千の仮想SoCを数秒で立ち上げて実行すれば、マルチデバイス構成の実験やテストも可能になる。Armは仮想SoCにより、一般的な製品の設計期間を現状の平均5年から最短3年への短縮を見込む。

 大規模導入に必要な標準化に向けたプロジェクト「Project Centauri」も開始する。各社がArm環境に投資したソフトウェアやサービスを、できるだけ広範なプラットフォームで活用できるようにする。具体的には、デバイスやプラットフォームの標準規格のほか、デバイスの起動やセキュリティ、クラウド統合のためのリファレンス実装を提供する。

 Project CentauriのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)は、IoTセキュリティの第三者認定制度である「PSA Certified」と、クラウドとデバイス間の標準仕様「Open-CMSIS-CDI」に対応しており、システム全体としてのセキュリティの向上が期待できるとしている。