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不良品の学習が不要な画像による良品判定のアルゴリズム、サイバーコアが発売

DIGITAL X 編集部
2022年2月1日

良品の画像があれば、対象品の良・不良を判定できるAI(人工知能)アルゴリズムを画像認識技術を開発しているサイバーコアが、2021年12月8日に発売した。画像判定システムの学習にかかるコストや時間を削減できるとしている。同日に発表した。

 画像認識技術を開発するサイバーコアの「DetectEye」は、画像から対象物の良・不良を判定するためのAI(人工知能)アルゴリズム。不良品の画像なしに良品の判定を学習できるため、不良品の画像を集める必要がなく、判定システムを短期間、低コストで開発できるとする。

 DetectEyeでは、不良品の画像なしで学習するために、2つのAI技術を組み合わせている。(1)「特徴を抽出するAI」と(2)「特徴を整理するAI」だ。特徴を抽出するAIは、入力画像に対して学習済みの画像分類AIを使った仕組みで、入力画像の特徴マップを抽出する。

図1:「DetectEye」は(1)「特徴を抽出するAI」と(2)「特徴を整理するAI」を組み合わせている

 抽出した特徴量は、特徴を整理するAIを使って正常画像群の特徴量と比較し類似性を分析する。類似性が低い領域を異常値としてピクセル単位で検出し、異常値を元に着色処理することで、異常のある領域と強度を可視化し良・不良を判定する(図2)。その計算コストは小さく、解像度が200 × 200ピクセル程度のカラー画像を対象にした推論速度は約0.01秒だとしている。

図2:「DetectEye」が異常値を持つ領域を可視化し良・不良を判定する

 学習が必要なのは、特徴を抽出するAIのみで、画像分類AIを入れ替えれば、精度や速度を改善できるという。ただし、特徴を整理するAIにおいても、異常値検出の精度を安定させるために、学習後に数百枚の正常画像を再入力し、適切なしきい値を再計算するための学習を1度だけ実施する。

 今後は、異常検知システムを小型化できりょうに、特徴を抽出するAIが使用している画像分類AIをエッジデバイス向けに最適化する予定である。