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バイタルデータを非接触で計る技術のデモアプリのAndroid版、センシングが提供開始
バイタルデータを非接触で測定するための技術を試用するためのデモ用アプリケーションのAndroid版を、同技術を開発するセンシングが2021年12月17日から提供している。医療・健康分野での実証実験を進めるのが目的。これまではiOS版だけだった。2021年12月23日に発表した。
センシングはバイタルデータの非接触測定技術「SENSING」を開発するベンチャー企業。コロナ禍でのテレワークや遠隔診療の普及に伴い、自宅での健康管理ニーズの増大を受けて、多分野での実証実験を進めるためにデモ用アプリケーションのAndroid版を提供する。iOS版は先行して提供してきた。両デモアプリにより、バイタルデータを活用できる分野への積極的な技術提供を推進していく。
SENSINGでは、スマートフォンやPCに搭載されているカメラで対象者の顔の動画を撮影するだけで、脈拍や交感神経、副交感神経などのバイタルデータを取得できる。バイタルデータからは、鬱や躁鬱の前兆をいち早く読み取れるとの考えから、メンタルクリニックの受診患者や人材サービス企業の従業員のテレワーク下でのストレス状態を計測する実証実験を進めている。
大手スポーツジムの会員、高齢者施設の利用者の日常的なバイタル情報を計測する実証実験にも取り組んでいる。今後は、配送ドライバーの運転中のストレス状態の把握や、治験受診者のバイタル測定といった実証実験を実施する予定だという。
センシングは5年前から、非接触バイタルセンシング技術の独自研究を進めており、コロナ禍になり健康管理のためのアプリケーション開発にもとりくむようになった。同社によれば近年、未病状態の人口が増え、ストレスに苛まれる人が多くなったり、若年層・高齢層の生活習慣病が増加傾向にある。
しかし、テレワークなど遠隔では微妙な表情の違いが読み取りづらく健康管理が行き届きにくいほか、日常的にバイタルデータを計測していないため体調の変化に気づきにくいなどが課題になっている。