• News
  • 物流

倉庫での既存台車を2台のロボットで自動搬送するシステム、NECが開発

DIGITAL X 編集部
2022年3月4日

物流倉庫における入出荷作業において、既存の台車を2台の自動搬送ロボットで運ぶシステムをNECが開発した。様々な形状の台車に人手をかけずに対応できるという。現場のレイアウト変更にも柔軟に対応できるとしている。2021年12月17日に発表した。

 NECが開発したのは、物流倉庫での入出荷作業に自動搬送ロボット(AGV)を活用するシステム。カゴ車や平台車など既存の台車(ユニットロード)に対し、2台のAGVが台車を挟み込む形で保持して搬送する(図1)。搬送後は予め設定した留置位置まで戻る。

図1:2台の自動搬送ロボットが台車を挟み込んで搬送する。左はカゴ車の場合、右は平台車の場合

 現場のレイアウト変更にも柔軟に対応できるとする。倉庫内の状況をカメラの映像やセンサー情報から把握し、集約した情報に基づき複数のロボットを一括制御する。今後は、経路での道迷いや障害物などを回避するためのインテリジェンス機能も搭載する予定である。

 ロボットの制御には、NECの「適応遠隔制御技術」を用いる。遅延の変動と通信の実効伝送量を予測し、伝送量に見合った映像配信と制御を可能にする技術で、ネットワーク遅延が生じた場合でも高い精度でロボットを制御できるとしている。

 今後は、物流会社などとともに実証実験を実施し商用化を目指す。

 NECによれば、一般的なAGVでは、台車をAGVに載せたり治具で掴んだりするため、台車の形が変わると新たな治具を開発したり、あるいは逆にAGVの形状に合わせた台車を開発したりする必要がある。