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産業制御システムのセキュリティ対策のための教育プログラム、DNPら3社が開発

DIGITAL X 編集部
2022年5月5日

産業制御システムのセキュリティ対策のための教育プログラム、大日本印刷(DNP)と同グループのサイバーナレッジアカデミー(CKA)、三菱電機の3社が共同で開発した。産業用制御システムの運用技術者を対象に、CKAが2022年2月下旬から提供している。2022年2月3日に発表した

 大日本印刷(DNP)とDNPグループでサイバー攻撃への対策要員を養成するサイバーナレッジアカデミー(CKA)、および三菱電機が開発した「サイバーセキュリティ実践訓練コース 産業制御系」は、インフラ施設や工場・ビルなどの産業用制御システムの運用技術者を対象にしたセキュリティ対策の教育プログラム。産業制御システムのセキュリティ対策に関する知識と技能を、2日間の講義と演習で学べるという(図1)。

図1:「サイバーセキュリティ実践訓練コース産業制御系」の演習イメージ

 実戦訓練コースは、標的型攻撃の特徴や有効な対策を偵察、武器化、配送、攻撃、インストール、遠隔操作、目的実行の7つのフェーズに分けてまとめた「サイバーキルチェーン」に沿って、講義と演習で構成されている。

 演習では、訓練システム「TAME Range」(イスラエルのIAI:イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ製)を使って、工場やインフラ施設のネットワークを仮想的に再現し、サイバー攻撃の手法や防御・対策を体験す(図2)。

図1:演習資料のイメージ

 DNPとCKAは2016年からサイバー攻撃対策要員の養成を支援しており、これまでに約80社、3400人以上にセキュリティ訓練・演習を実施してきた。近年、産業用制御システムへのサイバー攻撃リスクが高まっていることから、製造業やインフラ事業者などの産業用機器に関するノウハウを持つ三菱電機との協働で産業制御系の実践訓練コースを開発した。

 DNPによれば、産業用制御システムへのサイバー攻撃リスクが高まっている背景には、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)機器やクラウドサービスの導入、サプライチェーンにおける海外拠点を含めたネットワーク化などがある。

 制御システムへのサイバー攻撃に対しては、セキュリティ対策製品での防御に加え、制御系と情報系のシステムのセキュリティ知識を持つ技術者自身が、平時のリスク対策やインシデント発生時に迅速な判断ができるよう、実践的な訓練が必要だという。

 サイバーセキュリティ実践訓練コース 産業制御系の料金は、1人当たり36万3000円(税込み)。DNPとCKAは、インフラ施設や工場・ビルを持つメーカーなどを対象に本コースを提供し、セキュリティ関連製品/サービスなどを含めて、2022年度に20億円の売り上げを目指す。