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売上高や利益を継続して高められる売価をデータに基づき提案するサービス、NECが開始

DIGITAL X 編集部
2022年5月23日

小売り店舗における商品の売価をデータに基づいて提案するサービスをNECが2022年4月に開始した。属人的な経験や勘に頼らず、売り上げや利益を継続的に高められる価格設定が可能になるとする。2022年2月22日に発表した。

 NECの「小売価格最適化ソリューション」は、小売店頭での商品の販売価格を提示するためのクラウドサービス。通常価格、販促価格、売り切り価格といった商品のライフサイクルに沿った値付けを、データを店舗や本部の戦略シナリオに沿ってAI(人工知能)技術で分析し提案する(図1)。売り上げロスを減らし、利益目標を踏まえた値付けができるとする。米Clear Demand製ツールを使いSaaS(Software as a Service)として提供する。

図1:店頭での最適な販売価格をデータに基づき算出する

 分析対象にするデータは、商品マスター情報や販売実績、競合他店の情報など。これらからAI技術や機械学習により需要を予測し、経済学理論を元に作成したモデルを用いて最適な価格を提示する。商品単体だけでなくカテゴリー別の販売戦略を考慮できるほか、店舗がある地域や店舗の特性、競合他店の価格、流通戦略などを反映できるという。

 データ分析に向けては「戦略シナリオ」を立てる。店舗の状況に合わせて変更でき、複数を設定可能だ。店舗システムと連携させ売り上げデータなどを分析対象にすることで、社内での競合や食い合いを避けた戦略シナリオが設定できる。

 提示する価格はグラフなどで表示する。実際に販売価格として適用する前に、売上高や利益などをシミュレーションできる。取引高に応じた仕入代金の一部払い戻し(リベート)を考慮した売り上げや粗利も分析できる。販促時のチラシ作成業務を効率化する機能も備える。

 NECによれば、小売業界では、競合店舗やオンライン店舗との価格競争による低価格化が進行するなかで、店頭での価格の設定・変更には人手が掛かっており、AI技術の活用が期待されている。