• News
  • 医療・健康

地域包括ケアの関連データを管理・分析するためのクラウドサービス、東芝デジタルソリューションズが開始

DIGITAL X 編集部
2022年7月7日

自治体が保有する地域包括ケア関連データを管理・分析するためのクラウドサービスを、東芝デジタルソリューションズが2022年3月30日から提供している。これまで受託型で提供してきたサービスを汎用的なクラウドサービスとして提供する。住民1人ひとりに合わせたサービスの提供やデータに基づく地域マネジメントを可能にする。同日に発表した。

 東芝デジタルソリューションズの「ALWAYS ICC」クラウド版サービスは、自治体が持つ地域包括ケア関連データをクラウド上で管理・分析するサービス(図1)。高齢者1人ひとりに合わせたサービスの提供を可能にするほか、「根拠に基づいた施策立案(EBPM:Evidence Based Policy Making)」などデータに基づく地域マネジメントの推進を支援する。従来、受託型で提供してきたサービスをクラウド経由で提供する。

図1:「ALWAYS ICC」の概要

 ALWAYS ICCでは、自治体の各部門が保有する医療・介護などのデータを「高齢者統合DB」で一元管理し、個人別に部門横断的に利用できるようにする。データは、LGWAN(総合行政ネットワーク)経由で閲覧する。BI(Business Intelligence)ツールを使った高齢者の心身状態やサービスの利用状況・履歴を可視化することもできる。

 ファーストユーザーとして東京都大田区が試行運用の後、2022年4月から本格運用を始めている。大田区の高齢福祉課高齢者支援担当係長の前畑 文枝 氏は、「本サービスの導入によりデータの可視化が可能になった。今後は、医療レセプト情報や特定健診の情報などとのデータ連携を図り、介護予防の施策改善や、適切なケアプランになっているかの検証により、より効果の高い事業の実施や施策立案につなげたい」としている。

 東芝デジタルソリューションズによれば、高齢者の増加により介護人材の不足や社会保障給付費の増大が社会課題になっている。そのるため自治体は、データ活用による業務の効率を高め、高齢者の健康寿命の延伸や社会保障給付費の抑制・適正化に向けた施策の実施を求められている。