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自然災害のビジネスへの影響をデジタルツインを使って可視化するツール、One Concernが販売

DIGITAL X 編集部
2023年1月23日

自然災害が建物やインフラ、ビジネスに与える影響を可視化するためのツールを、レジリエンス(回復力)の分析ツールを開発する米One Concernが、2022年10月4日から販売している。レジリエンスとアセットの脆弱性を可視化し、企業・団体のレジリエンスの向上を支援する。同日に発表した。

 米One Concernは、自然災害や異常気象、気候変動リスクなどが電力網や交通網、地域社会などの重要インフラに与える影響を可視化するためのツールを開発・販売するベンダー。今回、新製品として、(1)「One Concern Domino」と(2)「One Concern DNA」を2022年10月4日に発売した(図1)。

図1:「One Concern Domino」の画面例

 One Concern Dominoは、企業や団体を対象にしたレジリエンス(回復力)の分析ツール。自然環境と人工環境をデジタルツインとして再現し、アセット単体に対するハザード(潜在的危険性)の影響を調べるためのツールである。

 デジタルツインには、日本国内の3900万の建物、5000の変電所、11万6000の道路、54の空港のデータを含み、国内外で収集した数兆のデータを加味する。入手が困難なデータは機械学習によって補完する。レジリエンスに関する統計データや指標も提供する。

 これに基づきDominoでは、電力網や道路、空港といったアセットの機能に影響するビジネスインフラへの影響を可視化する。自然災害が発生した際に、最初に停止するものや、事業を運営できない状態がどの程度続くかなどが分かる。ダウンタイムの可視化により、リスクの選定や軽減、不動産や保険商品の値付け、移転精度の向上、高リスク資産の軽減などに向けた行動を起こせるとしている。

 One Concern DNAは、Dominoで構築したデジタルツインやデータとレジリエンスのベンチマークを提供するツール。企業や団体が保有するアセットのレジリエンスに関するパフォーマンスを他のアセットと比較することで、既存のアセットと将来的に所有するアセットのリスクに対する脆弱性を可視化し、関連リスクの軽減や移転に向けた計画を立てられるようする。