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大同ゴム工業、工場の無停止稼働に向けエッジサーバーを導入

佐久間 太郎(DIGITAL X 編集部)
2023年5月9日

工業用ゴムホースを製造・販売する大同ゴム工業は、工場の無停止稼働に向けて生産管理システムの実行環境を、これまでの本社内サーバーから工場に置いたエッジサーバーに切り替えた(図1)。製造現場で生産管理システムを稼働させることで、IT管理者が不在時でも障害対応ができるようにするのが目的だ。2023年3月30日に発表した。

 大同ゴム工業は工業用ゴムホースの専門メーカー。香川県丸亀市にある昭和町工場において、生産日報や設備管理などを担う生産管理システムのサーバー環境を、これまでの本社設置のサーバーから、工場内に設置した2台のエッジサーバーに切り替えた(図1)。生産管理システムにおけるネットワーク障害リスクを低減するのを目的に、2021年3月から運用を開始している。

図1:大同ゴム工業のシステム構成。全社利用システムを本社で、生産システムは工場で、それぞれ稼働させ、両者をVPN(仮想私設網)でつなぐ

 2台のエッジサーバーは同期しており、1つのシステムとして利用することで高可用性を高めた。片方で障害が発生しても、もう片方に処理を自動的に切り替えることで無停止稼働する。障害発生時もシステムを停止せずに復旧できる。導入以後、無停止で稼働しているという。

 同社の生産管理システムには、現場のノウハウを組み込んだ生産関連帳票を管理しており、多品種・少量生産による需給の安定を目指している。従来、本社サーバー上で稼働し、工場現場とはVPN(仮想私設網)で接続していたため、サーバー側でネットワーク障害が発生しても現場からはアクセスできなかった。結果、システム停止に伴う業務停止が平均して約2カ月に1度、発生していたという。

 エッジサーバーには、産業制御システム用で無停止型の「Stratus ztC Edge」(米ストラタステクノロジー製)を採用した。基本ソフトウェア「Stratus Redundant Linux」上で監視・制御システムを動作させている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大同ゴム工業
業種製造
地域香川県丸亀市昭和町(昭和町工場)
課題生産管理システムを本社(丸亀市蓬莱町)にあるサーバーで稼働させており、ネットワーク障害時は工場側からアクセスできず、生産業務が停止してしまう
解決の仕組み生産管理システムを工場側に置いた無停止構成のエッジサーバー上で稼働させることで、ITシステム管理者が不在でもシステムが停止しないようにする
推進母体/体制大同ゴム工業、日本ストラタステクノロジー
活用しているデータ生産日報データ、設備管理データ、IoTセンサーを通じたデータなど
採用している製品/サービス/技術エッジサーバー「Stratus ztC Edge」、基本ソフトウェア「Stratus Redundant Linux」(ともに米ストラタステクノロジー製)
稼働時期2021年3月